GP一番乗りで3度目のG1制覇
ホームバンクの川崎以来、3年ぶりのG1制覇。久しぶりのG1優勝インタビューで郡司浩平の笑顔が咲いた。が、シリーズを振り返り、こう気持ちを引き締めた。
「ホッとした気持ちもありますし、もちろんうれしい気持ちもある。今開催はラインに助けられて、自分の力だけじゃここに立ててなかった」
松谷秀幸とタッグでシリーズ唯一の自力だった初日特選は、展開もあったが仕掛けられずの不完全燃焼。準決では主導権を握った同県の松井宏佑の番手を不意打ちとは言え、古性優作に明け渡してライン崩壊を招いた。
「初日から自分のダメなところが出てしまって、ラインには迷惑しか掛けてなかった。こうやって優勝ができたんで、恩返しができたかなっていう思いはあります」
北井佑季、松谷がセットで準決をクリアして、決勝は同県の3人でラインができあがった。北井はG1初優出ながらも、日の出の勢いの3連勝。その北井が先頭を務めて、郡司は要の番手を担った。
「(番手は)絶好の位置ですけど、その反面、危険な位置でもあった。そこを守って、ラインの厚みを生かせるようにと思ってました」
赤板2コーナーで神奈川ライン3人がそっくり出切って、清水裕友は4番手に下げる。古性優作は6番手で、神奈川勢にとって“形”ができたが、新山響平がその布陣を打ち破らんと、猛烈なスピードで迫ってきた。
「(レースは)北井さんが行けるところからって感じでした。タイミングも良かったですし、出てからも踏みすぎず流しすぎずいいペースだった。新山が来ても対応できるスピード域でした」
新山の踏み出しに遅れた浅井康太を外に振って、郡司が北井を迎え入れる。古性はもつれた中団の渦に巻き込まれていたが、清水は神奈川勢の後ろをキープ。番手から踏み出した北井が新山に合わされてスピード鈍ったところで、清水がまくり追い込みで襲い掛かる。
「(最終)バックぐらいでは、かぶらないようにと思っていたんですけど。そこでは北井さんも仕掛ける間合いを取っていましたし、自分も付いていくことをと。北井さんも合わされている感じもあったので、早めに外を踏んでも内を突かれてしまう可能性もあったので我慢しながら。最後は清水君が見えてからでした」
外の清水の勢いが勝ってはいたが、郡司の伸びも悪くない。勝負は、ゴールまでわからなかった。
昨年は5年連続でのグランプリ出場とS級S班が途切れた。その分、12月はトレーニングに明け暮れた。ここでその貯金が物を言い、清水に半車輪、踏み勝って2度目の全日本選抜を優勝を飾った。
「去年はG1になるとなかなか決勝にも乗れず、苦しい1年だった。今年に向けて気持ちを入れ直してやっていた。ここに来る前も体調も自転車の出も良かったので自信をもって入れました」
昨年のビッグ優出は、7着に終わった6月の高松宮記念杯のみ。それだけに当然、期するものはあった。早くもS級S班返り咲きを決定的なものにして、年末のグランプリキップを手にした。が、ここで終わるつもりは毛頭ない。
「(グランプリの出場権を取ったのは)メリットでもありますし、その反面デメリットもあるとは思う。今年はまだ始まったばっかりなので、これから先のレースも自分のスタイルは崩さずに南関勢を引っ張っていって、グランプリに一人でも多く乗れるように。去年の(平塚の)ダービーは残念な結果に終わってしまったので、(8月の地元の平塚のオールスターを)今年は目標にはやっていくつもりなので、そこら辺にピークにもっていければいいと思います」
順調とは言えなかったシリーズをハッピーエンドに導いたのは仲間たちの力があってこそ。支えがあるのは、普段の走りで仲間を盛り立てている郡司だからこそでもあるだろう。
赤板過ぎに先に切って出た清水裕友は、神奈川ラインを受けて4番手。新山に遅れた浅井、古性にも割り込まれることなく最終バックに入り、まくり追い込んだ。
「(最終)3コーナーで食ったと思ったんすけどね…。最後は郡司さんの底力に負けました。(打鐘は)遅ければ粘りもありましたけど、巻き返しが怖かったんで引いて様子を見てって感じでした。チャンスやったんで悔しいですね」
落ち着いて新山の番手に入った北井佑季は、車間を詰めて3コーナーで新山をとらえにかかる。新山に合わされながらも意地でまくり切って、初めてのG1ファイナルは、見せ場たっぷりの3着。
「(新山に)行かれちゃったっていうことは力が足りないっていうことだと思う。(初めてG1決勝は)冷静には走れました。(新山の番手に)飛び付くのに脚を使いました。道中も踏みすぎることなく踏まなすぎることもなく。しっかり自分なりに気持ちをもって4日間戦えたので、悔いのないレースはできました」