3連覇を目指す古性優
昨年は全日本選抜、高松宮記念杯、寬仁親王牌とG1で3Vの快挙を成し遂げた古性優作。輪界最高のオールラウンダーの称号を不動のものにした。今年の走り初めだった1月和歌山記念は大いに注目を集めたが、結果は❶着とオール連対のV。初日特選、決勝は番手戦、二次予選、準決は先頭で戦ったが、どちらも隙を見せない王者らしい走りでファンの期待に応えた。この大会は一昨年、昨年と連覇していて、今年は3連覇がかかっている。同一G1の3連覇は、95年~97年に神山雄が競輪祭で達成して以来の大記録だ。対照的に昨年の脇本雄太は、持病の腰痛に加え、オールスターでの落車負傷など厳しい年となった。今年も1月大宮記念は体調不良のため、同月平記念は落車で途中欠場を余儀なくされている。とはいえ、トップスピード、航続距離、加速力と3拍子そろった脚力は間違いなく輪界ナンバー1。ある程度の体調での参戦が叶えば、大会初Vが望める。
グランプリ2023チャンプに輝いた松浦悠士も有力な優勝候補。1月大宮記念を病欠したため、今年は同月川崎記念が走り初めとなったが、結果は❸着。勝ち星こそなかったものの、確定板を1回も外さない安定プレーを演じていて、体調の不安は一掃した。盟友の清水裕友は、年頭から快調に飛ばしている。1月大宮記念では、地元5車ラインを力勝負でねじ伏せVスタートを決めると、同月川崎記念も南関5車ラインとの対決だったが、今度は分断策から3番手を奪って準V。昨年はG1で3回の優参を果たした犬伏湧也が、中四国勢の先陣を受け持つようならラインの総合力は更に高まる。
昨年はダービーで主役を演じた山口拳矢。その後もサマーナイト➍着、7月名古屋記念でVをゲットと勢いがあったが、オールスターで落車した後は、好調時のような切れ味が影を潜めている。今年は1月平記念を走って優参はならずも本人の手応えはまずまず。SS班として参戦する地元G1なら燃える材料には事欠かない。当所は21年に共同通信社杯でビッグ初V、大垣ではルーキーチャンピオンレースで優勝するなど、地元戦にはめっぽう強い。鬱憤を晴らす躍動もあろう。
深谷知広、郡司浩平、松井宏佑らと、超ド級の自力型がそろう南関勢も好勝負が期待できる。グランプリ2023では、4分の3輪差で優勝を逃がした深谷だが、脇本の逃げを飲み込んだまくりは圧巻だった。1月川崎記念では、深谷の逃げに乗った郡司が、大会4連覇の偉業を達成。南関勢の動向からは目が離せない。
昨年はオールスター、競輪祭とG1で2冠を達成し、一段と飛躍を遂げた眞杉匠。今年は更なる活躍が見込まれたが、練習中の落車で鎖骨を骨折する不運に見舞われた。体調が浮沈の鍵となりそうだ。
北日本勢も豪快な先行で鳴らす新山響平、今年はタフに走りまくっている佐藤慎太郎、1月平で地元記念初Vを決めた新田祐大と戦力は充実している。