• 松山競輪場施設整備等協賛競輪8/8〜8/11

後記 GⅢ 松山 08/08

地元勢の夢砕く完全V

新田祐大

新田祐大

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 初日から人気を背負っていた新田祐大。前に前にと動いて位置を確保する動きと、スピードを生かしたまくり4連発で期待に応える完全優勝を達成。決勝でも赤板過ぎで空いた内を見逃さずに進み、後手を踏まない姿勢を見せた。
 「スタートは位置次第で何でもあると思っていた。ゴチャついている中で、片岡(迪之)君の動きを見過ぎてしまった。真鍋(智寛)君のラインが締まり気味になって難しいレースになりました」
 前に前にと攻めた結果が、真鍋の番手で吉田智哉と位置を争う展開になった。そこからペースを上げない真鍋にプレッシャーをかける動きなど、レースの隅々に新田の駆け引きやテクニックが凝縮されていた。
 「真鍋君がああ(内から自分が来る展開)は、想定していなかったのか、吉田君が(番手を)取られそうになって、そこでも流しているようなら(行く)意欲を見せてと。そうしたら、真鍋君に(先行する)スイッチが入ったかなと。そうなったからには(吉田と)勝負するしかない。結果、地元のところにいったので申し訳なく、動きとしても、後ろの2人に難しくなった」
 逃げる真鍋の番手を奪取したあとは、自慢のスピードを発揮するだけ。最終2コーナーから一気に加速して真鍋をとらえ、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「後ろが誰かはわからなかったけど、2コーナーから全力で行って、(ゴール前は)福島(武士)君とのゴール前勝負に負けたくないと思って踏みました」
 本来ならば、G1のオールスターに出場している選手。今年は全日本選抜の最終日に誘導員の早期追い抜きで3カ月のあっせん停止期間もあった。ここから先は予定されているレースはもちろん、ビッグ戦線で活躍するためにトレーニングを積んでいく。
 「(優勝しても)ここがゴールではないし、オリンピックから強いメンバーが戻ってきて日本の競輪はまた一歩、変わると思う。そこで活躍できるように精進していかないと。次に(ビッグを)出られるとしたら競輪祭。まずは出場権を取ること、そこで活躍できるように頑張りたい」

 地元の真鍋と吉田の連係は、新田の動きによって空中分解。地元の後ろを回っていた福島武士は、冷静に戦況を見ながら新田を追ってゴール前で迫って2着。今回は左鎖骨骨折から久しぶりのレースになったが、軽快な動きを披露した。
 「(真鍋が)前から突っ張って、(新田が)来るとは思っていたので締めていたんですけど、仕方ないです。(最終)2コーナーで吉田が返ってきたら迎え入れるつもりだったんですけど、浮くような感じになってしまった。抜けるかなと思ったんですけど、(新田に)付いて行った時に一瞬バックを踏まされてしまった。やっぱり歴戦の走りでしたし、うまかったです。ただ、今回は新田にも付いていけたし、感覚は悪くなかったですね」

 原誠宏はラインの結束力を見せて、四国4番手を固めてレースに臨んだ。難しい展開にはなったが、前の福島をしっかりと追走して3着。今月末までが選考期間の11月の競輪祭の出場権を獲得して、正規配分でG1初出場がみえた。
 「どこかでは(新田が)来るとは思っていました。僕も空けて油断してしまったし、難しいところでした。吉田が新田と勝負をしてくれて、それで脚を使わせくれたし、ラインのおかげです。(状態は)徐々に良くなっていますね。(この3着で)正規でG1に出られるのは初めてで、練習にも気合いが入ります」

Race Playback

レース展開4
 四国勢分断から番手まくりを打った新田祐大選手が、そのまま押し切って優勝。切り替えた福島武士選手が2着に入り、原誠宏選手が3着。

レース経過

誘導員 : 越智展孝

 福島武士がスタートを制して、4車の四国勢は、真鍋智寛-吉田智哉-福島-原誠宏で前団に構える。新田祐大-飯野祐太-宿口潤平が続き、片岡迪之-坂本健太郎で周回を重ねる。 8番手の片岡は、青板バック付近から上昇を開始。しかしながら、誘導との車間を空けた真鍋は、赤板目がけて踏んで片岡を阻む。真鍋が主導権をキープして、赤板過ぎに新田が内を進出して吉田に並びかける。飯野は付け切れない。2コーナーで吉田をさばきに出た新田は、さらに先行態勢の真鍋のインを踏むが、真鍋がペースを上げて駆ける。番手に下げた新田が、再び吉田と併走になり最終周回へ。 外併走の吉田は、1センター過ぎに力尽きて後退。逃げる真鍋の後ろを新田が奪い、福島、原の追走。8番手の片岡が2コーナー手前からまくり、ワンテンポ置いて新田も番手から出る。3コーナー手前で先頭に立った新田に福島、原で続いて、その後ろにいた飯野が追い込む。片岡は不発。福島が直線で追い込むも、新田が退けて優勝。2着に福島が入り、3着に原。

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