新田祐のひとり舞台
オールスター直前の開催のため、トップクラスは少ない。そんな中、輪界4人目となるグランドスラムを達成した新田祐大の存在はひときわ光る。全日本選抜で先頭員早期追い抜きの失格を喫し、しばらく実戦から離れていたが、6月前橋記念から復帰後は、世界の舞台で活躍していたスピードを遺憾なく発揮している。サマーナイト着。優勝は逃がしたものの、予選と準決は、いずれも快速まくりを繰り出し連勝していて、北井佑らを5車身千切った準決はまさに圧巻だった。復帰後の勝率は5割超。ここも自力基本の競走でVを目指すとみたが、同県の佐藤一伸との連係が叶うようなら前を任せることも。追い込み型には菊地圭尚、川津悠揮の北海道コンビが控えているので、北日本勢はラインの総合力でも優位に立っている。
第2勢力は関東勢だ。菊池岳仁、蕗澤鴻太郎、橋本瑠偉と自力型がズラリとそろっている。成績には波がある菊池ながら、6月函館G3は二次予選、準決を連勝して優参、同月弥彦では町田太の逃げをまくりで仕留めてVをゲットするなど、機動力を遺憾なく発揮できたときは結果を出している。タイミングよく仕掛けて主導権を握れば好勝負に持ち込める。蕗澤はしばらく決勝に乗れない場所が続いていたが、6月川崎で今年初優参を果たすと、7月前橋1着、同月青森2着と成績がまとまってきた。自力勝負が持ち味だが、上信ラインの菊池と同乗なら、若い菊池が先頭で戦うか。絶好の展開が巡ってくる可能性があるので、首位に躍り出ても不思議ではなさそう。
あまり仕掛けは早くない中井俊亮ながら、まくり、差しの威力には定評がある。6月奈良G3では、惜しくも決勝は外すも着と2勝をあげると、同月平では3連勝で今年の初Vをものにしている。近畿は上位陣が手薄で、ラインの総合力では劣勢だが、好位をキープして自力を出せれば、勝ち負けに持ち込んでもおかしくない。
柴崎淳、川口公太朗の中部勢はどう出るか。柴崎が前で総力戦もありそうだが、最近は一息不足の場所が続いていいて、好調と言えるデキではない。柴崎は7月佐世保МNG3では、初日特選、準決と中井に前を任せている。メンバー構成次第では、ここも中井との連係がありそうだ。
G戦線で開催ごとに勝ち星をゲットしている吉本卓仁にも食指が動く。ダービーでは2走目に1勝をあげると、6月奈良G3、同月久留米記念、7月福井記念でもそれぞれ1勝。まくり兼備の差し脚の伸びの良さは相変わらずだ。展開がもつれるようだと浮上してきそう。坂本健太郎が吉本とタッグを組む。
ダークホースは競走得点が右肩上がりの菅原大也か。7月小松島記念4着、同月玉野1着と自在戦が冴え渡っている。うまく流れに乗れると怖い。