• 京王閣競輪場開設75周年記念ゴールドカップレース10/26〜10/29

後記 GⅢ 京王閣 10/26

最後方からの強襲劇

犬伏湧也

犬伏湧也

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 そうそうたる顔ぶれによる細切れ戦を制したのは単騎の犬伏湧也。最終バックでは前までが遠い9番手からのどんでん返しだった。
 「まさかこういうメンバーで優勝できると思わなかったんでうれしいですね」
 小林泰正が押さえたところを、眞杉匠が打鐘3コーナーで飛び出して駆ける。古性優作が5番手、新山響平が7番手の一本棒で、犬伏は動けずにいた。
 「眞杉君のペースがすごい上がっていた。ラスト1周で仕掛けられるスピード感ではなかった。(先行した眞杉が)掛かっていたんで、これはキツいなって思いました」
 3番手の小林が最終2コーナー手前で仕掛けたの皮切りに、新山、古性が次から次へとまくりを打つ。3コーナーを過ぎると3、4車が併走になり、隊列が凝縮され、犬伏にもチャンスが訪れた。
 「(最終)バックくらいで新山さんが仕掛けてくれたんで、それに乗っていった。スピードが上がっていたんで、ただただ新田(祐大)さんの後輪に集中しながら付いている感じだった」
 小林は不発。直線の入口で古性が前団をとらえるが、新山の勢いがいい。新山が大阪コンビをつかまえたと思ったのもつかの間、黄色いユニフォームが矢のように大外を突き抜けた。
 「最後にゴール前で踏める脚を残しておこうって、脚を削られないように意識していました。(最終4)コーナーの下りに向かって力いっぱい踏めた。思いのほか伸びたんで、これなら前までいけるかなって。ただ、理想はホームでカマシ、まくりっていうのが頭にあった。それができていない。スピードレベルを上げていかないと」
 7月の地元、小松島以来、今年2度目の記念Vで今年のラストG1、競輪祭に弾みをつけた。
 「去年の競輪祭は賞金ランクで惜しいところまではいったけど、(一次予選で)あっけなく終わった。まだまだグランプリはあきらめていない。(獲るしかないので)潔くやれると思います」
 昨年は獲得賞金ランク11位で競輪祭を迎えたものの、一次予選の2走を着で散った。今年は“大逆転”でのグランプリ出場。犬伏には獲るしかない状況を楽しむだけの余裕がある。

 眞杉にフタをされて7番手に置かれた新山響平は、新田が踏み出しで遅れるほどの加速力で前団に迫ってまくり切る。が、最後は犬伏に屈した。
 「(眞杉に)フタをされていたので、(眞杉が)早めに切りに行ってくれれば良かったけど。切らなかったので、眞杉が踏むのを待つしかなかった。(古性が前にいたのは)考えずに自分のタイミングで詰まったところで踏めるかなと。雨で前が見づらかったですね。(最終3コーナーは)浮きそうなところで外を我慢して、4コーナーで伸びるかなと。犬伏が強かったです」

 3着は大阪コンビが分け合って同着。5番手の古性優作は、先にまくりの小林ラインに車間を空いてからのまくりになった。
 「弱いですね。力不足です。シンプルにしんどかったです。どうしようもなかったですね。今日(最終日)が一番しんどかった」

 4車横一線のゴール勝負まで持ち込んだ南修二は、こう振り返る。
 「展開は良かったと思うけど脚がなかった。弱いですね。トレーニングをするしかない。(そのトレーニングは)変化を求めてやっていて、いい方向に向く時もあるし、思うようにいかない時もありますね」

Race Playback

レース展開4
 9番手から大外をまくり追い込んだ犬伏湧也選手が、単騎でV奪取。新山響平選手もまくりで2着。古性優作選手、南修二選手が同着の3着。

レース経過

誘導員 : 内藤高裕

 スタートで古性優作が正攻法の位置を確保し、古性-南修二、小林泰正-木暮安由、新山響平-新田祐大、眞杉匠-鈴木竜二、犬伏湧也での周回。 青板バックで眞杉が動き、新山の横に並びかける。眞杉が新山にフタをした状態のまま赤板2コーナーに入ったところで小林が先に仕掛けて前団を押さえる。その上を眞杉が一気に叩いて3コーナー過ぎから先行態勢に。小林が3番手を確保し、5番手に古性、7番手に新山、単騎の犬伏が最後方の態勢で最終ホームを通過。2コーナーで小林がまくるが、鈴木が止めて前団がモツれる。そこを後方から新山、さらに古性もバックまくりで襲い掛かる。4コーナーで古性が前団を飲み込むが、追って上がってきた新山の勢いが良い。ゴール前では古性と南が並んだ外を新山が交わすも、北勢追走から直線で大外に車を持ち出した犬伏がさらに強襲してVを飾った。

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