九州結束で歓喜のV奪取
九州ラインが6車で結束。圧倒的に展開有利に進められる中、先頭を走った阿部将大の番手から大西貴晃がS級初優勝を地元G3で決めた。
「九州一丸となって、優勝させてもらってうれしいですね。(阿部)将大の気持ち一本ですし、後ろを回ってくれた先輩方のおかげです」と開口一番、ラインへの感謝の気持ちを語った。
レースは決して単調な展開にはならず、山本伸一、杉森輝大も次々に仕掛けてきたが、大西は慌てることはなく、阿部の余力を見極めてから前に踏んだ。 「(山本)伸一さんがまくってきて、一回止まったと思ったんですけど、行かないと後ろの先輩にもチャンスがないと思ったので踏ませてもらいました」
直線は小川勇介とのゴール前勝負。「一杯一杯でしたし、(小川)勇介さんが伸びていたので2着かなと思ってガッツポーズをする余裕もなかったです」と自らの持てる力を出し切った中で手にした勝利だった。
今年7月の「オランダ王国友好杯」は阿部が制覇。別府G3の地元優勝はおよそ23年ぶりだった。今回はそこから3カ月を経ての開催。今度は自分の番だと気合が入っていた。
「こうやって地元のG3で決勝に乗れて、優勝もできて今まで前でやってきて良かったなと。今度は自分が先輩方の前で優勝に貢献できるように頑張りたいですね」
ゴール前勝負を演じた小川勇介は決勝が40歳のバースデー。G3初優勝へは手が届かなかったが、九州の結束力を見せた。
「迫ったけど完敗。(大西は)自力屋だけありますね。阿部君がチャンスのある走りをしてくれたし、結束力は見せられたレース。今後につながると思います」
ラインの4番手を固めた園田匠が完璧な追走を決めて3着に入る。
「大西君は冷静でしたね。(直線は大西と小川の)2人の力勝負でしたね。ラインのみんながやることをやって頑張ってくれたし、ワンツースリーフォーまで決まっていますからね。(今節は)最低限の走りはできたし、次も楽しみです。やっぱり9車の方がいいですね」