地元のエース阿部将が主役
今年はステップアップを遂げた阿部将大が、地元ファンの前で躍動する。今年は3回のG3優勝を達成。しかも4月高知記念1着、6月函館G3は着、7月当所記念では4連勝。1回も連を外しておらず、12走して10勝、2着2回は圧巻の成績だ。機動力には一段と磨きがかかった感がある。基本は自力勝負なので、ここも九州の先頭で地元Vを目指すとみたが、当所記念は伊藤颯の逃げに乗ってのVだった。前を任せられる自力型がいれば番手戦もありうる。共同通信社杯は病欠したが、9月青森記念から復帰。かなり物足りない動きだったものの、ここは上積みがありそう。地元の重鎮・大塚健一郎は、G1で準Vの実績がある実力者。通算の失格56回、棄権65回は、むしろ勲章とも思えるほど、闘志あふれるファイターだ。ただ、長欠明けの9月小松島でまたしても落車。体調が浮沈の鍵となりそうだ。岩谷拓磨、小川勇介、園田匠、大坪功一の福岡勢はどう出るか。岩谷と小川と園田は同門の間柄。タッグを組むのはもちろん、地元の阿部を盛り立てる形での連係も考えられる。
最近は動きがいい川口聖二の単にも食指が動く。7月豊橋で優勝すると、オールスターでは最終日に1勝。更に9月岐阜記念では1着と3連対の活躍を演じ、地元の意地を見せた。今シリーズの上位陣は中部勢が手薄なので、ラインの総合力では劣勢ながら、うまくレースの流れに乗って自力を出せれば、好勝負に持ち込めよう。
杉森輝大、長島大介と両者ともに動ける関東コンビにも魅力を感じる。特に杉森は素晴らしい伸びを披露している。8月富山記念は予選を連勝して準決にコマを進めると、その後も9月玉野着、同月京王閣着など申し分のない成績だ。今年はまだ優勝には手が届いていない長島ながら、調子にはまったく問題はない。7月弥彦はまくって準V、8月川崎、9月平では、いずれも準決はまくりを決めて勝ち星をゲットしている。さらに9月青森記念は2❼着で優参。長島のほうが仕掛けが積極的だし、年齢も若いので、長島が前回りで自力攻撃を繰り出すとみる。
石塚輪太郎、池野健太と2枚の自力型に山本伸一、松村友和とそろった近畿勢も差はない。前期は2Vを飾った石塚は、8月富山記念では準決で勝ち星をゲットするヒットを飛ばしている。池野も機動力に迫力を増していて、8月名古屋でS級初Vを3連勝で達成すると、9月高知は2着と2V目を手にした。近畿勢がレースを支配する可能性は大いにありそうで、地元九州勢にとってはやっかいな存在となりそうだ。
鈴木裕、新田康仁の南関コンビは鈴木が前で総力戦か。最近の鈴木はまずまずの動きだが、航続距離は今ひとつ。展開がもつれないと厳しいか。