• 静岡競輪場開設72周年記念2/13〜2/16

後記 GⅢ 静岡 02/13

強敵を退け念願の地元記念初制覇

深谷知広

深谷知広

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 21年1月に静岡に所属になった深谷知広。4回目の地元記念挑戦で遂に優勝をつかみとった。
 「ずっとみんなに気を使わせていたので、やっと獲れて少しホッとしています(笑)。(ファンの声援は)地元で優勝したんだなという思いが沸いてきました」
 決勝戦は豪華メンバーの激突。別線には眞杉匠、新山響平のS班両名を筆頭に強豪がそろっていた。だが、深谷も昨年はS級S班を務め、輪界を代表する選手。相手のことを知り尽くした組み立てを考えていた。
 「1番車というのもあって、前の方からっていうのはあって、みんな、隙のない選手ですから、動いてもらってから仕掛けようと思っていた。どこからでもどんな位置からでも自分の力を出し切ろうと」
 「切り合いにはなると思っていて、そこを見てからと思っていました」と事前の想定通りにレースは赤板から一気にペースが上がる。前団は眞杉と新山の主導権争い。前受けから7番手まで下げた深谷は最終の1センターから全開の力を振り絞って加速していく。「後ろに河端さんがいたので、被らないタイミングで自分の踏み込めるところでと、なるべく小細工しないで自分の力を出し切ろうと」
 先行した眞杉を4コーナーでとらえると、あとは岩本俊介とのゴール前勝負。「最近、振り切ったことがなくて、それくらい強い選手がかためてくれる。抜かれてもワンツー、押しきれれば最高と思っていました」と最高の形に持ち込んだ。
 「(ゴールした瞬間)後ろに岩本さんが見えてワンツーが決まった喜びがあって、地元で優勝できたんだと(いう感情が)沸いてきました」
 地元記念初優勝は今年の巻き返しを誓う深谷の序章に過ぎない。直後には今年初のG1全日本選抜競輪が豊橋競輪場で行われる。長年過ごした地への特別な思いも抱えながら次になる戦いに向かう。
 「また、戦いが始まるので、これを機に活躍できるように頑張っていきます。豊橋はずっと練習をしてきた競輪場。豊橋記念も1回しか優勝をしていないし、豊橋で優勝という思いは強い。まずは一戦、一戦ですけど頑張りたいです」

 S級S班の一年目を迎えた岩本俊介。今シリーズはオール番手戦での競走となり準V。優勝こそ叶わなかったが、手応えをつかんだシリーズとなった。
 「自分も優勝を獲れれば良かったけど、(深谷も)地元で優勝したいところだったと思うので。そこで自分も2着だったのは良かった。(深谷の)ダッシュは半端なかった。自分も自力でやっているので何とか付いていけたと思う。(深谷は)南関の運命を左右する選手ですね。(今節は全て番手回りで)前の人が頑張ってくれた。(今後も)その中で連係を外さず、人気に応えられるようにしないと。今回はワンツーで本当に良かった。(次回は全日本選抜競輪で)気を引き締めないと。いい流れで開催を終えられたし、深谷も含めて南関勢で頑張りたいですね」

 唯一人、一次予選スタートで決勝に進出した河端朋之。決勝は単騎で強敵に挑んだ。最終的に仕掛けたラインに乗ってどこまで迫れるか、現状の力を出し切り、ナショナルチームでともに活動していた深谷の強さを称えた。
 「眞杉君や嘉永君を相手に自分の技術では位置も取れないし、このメンバーなら絶対にどのラインでも仕掛けると思ったので、最後に仕掛けたラインに乗っていこうと。深谷君が強くて、最後は岩本君の後輪にすら差し込めなかったですね。(近況は)前が頑張ってくれているし、展開が良かったりしているだけ。自分の力は出せていないし、慢心せずに頑張りたい。(次回は全日本選抜競輪で)今日も昨日も自力を出していないので何とも言えないけど、まずは体を整えたい。中3日じゃ急に強くなるということもないので」

Race Playback

レース展開4
 2コーナー7番手からのまくりを決めた深谷知広選手が、地元静岡での記念を初制覇を達成した。2着にも岩本俊介選手が入り南関ワンツー

レース経過

誘導員 : 大木雅也

 号砲で最内枠の深谷知広が正攻法の位置を確保。前から深谷-岩本俊介、眞杉匠-坂井洋、嘉永泰斗-荒井崇博、新山響平-浅井康太、河端朋之で折り合って周回を重ねる。 青板2センターで新山から上昇を始めるが、これを制して嘉永も動く。嘉永が先に前団を切り、この上を新山が叩いて打鐘手前から先手を奪取。だが、眞杉の反撃も早かった。打鐘過ぎには踏み上げて最終ホーム入り口では新山に並び掛けてくる。新山も激しく抵抗してスピードアップ。モガき合いから2コーナー手前では新山をねじ伏せて眞杉が先頭に立つが、坂井は離れて中団に降りていて、眞杉の後ろには浅井の援護もあって新山がハマり込む。そこに深谷が2コーナー7番手まくりで襲う。前団の選手には合わせる余力はなく、直線入り口で先頭に立った深谷が岩本を従えてゴール。南関ワンツーが決まった。3着にはじっと最後方に構えて最後に動いた南関勢に乗っていった河端が入った。

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