4連勝で6回目の川崎記念制覇
郡司浩平
「何回優勝しても、みなさんのあたたかい声援に助けられて、本当にうれしいです」
ホームバンクの川崎記念、桜花賞を6度目の制覇。重責を担いながらの4連勝。郡司浩平にとっては、完全Vで桜花賞を制したのは初めてだった。
「神奈川3人で心強い連係だった。僕が前でしっかりと責任をもって走らなきゃいけないって思っていたんで、その気持ちが出せたんで良かった」
レースは意外なほど単調に流れた。後方から上昇した脇本雄太が赤板過ぎに先頭に出ると、郡司が3番手に切り替える。犬伏湧也はすんなり下げて7番手。郡司は絶好のポジションを確保したが、同じく脇本も労せずに主導権。2日目にはバンクレコードを叩き出したグランプリスラマーだけに、決して楽な3番手ではなかった。
「犬伏君が来るだろうと思っていたし、そこはヒヤヒヤしながら(3番手に)構えてました。脇本さんが仕掛けてからは、絶対に(最終)バックで行こうと思っていた」
後方の犬伏は動くに動けずクギづけ。逃げる脇本が踏み上げるなか、郡司も最終2コーナーで仕掛けた。
「まったくまくり切れると思ってなかったので、最後は意地だけでした。このメンバーでどれだけ力勝負できるかを課題にしてやってきた。(シリーズの)4日間、自力で地元のプレッシャーのなかで、こういう結果を出せた。もう、怖いものなしです」
2センターで脇本をとらえた郡司は、今度は後ろの松谷秀幸との勝負。「抜けると思ったんですけど」と、手ごたえのあった松谷を半車輪しのいでのゴール。ウイニングランでは何度も拳を突き上げて、地元のファンに応えた。
「たくさんの声援が4日間、届いていたしサイコーでした。また次のG1に向けて、来年の桜花賞に向けてもしっかり頑張ります」
日本選手権に向けて、これ以上ないステップ。地元のプレッシャーを力に変えて無傷の4連勝の郡司が“ゾーン”に入っている。
まくり切った郡司とのマッチレース。直線でグッと差を詰めた松谷秀幸だったが、最後は郡司の気持ちが勝った。
「(郡司)浩平もキツかったと思うけど、最後は浩平の意地がすごかった。ワッキー(脇本雄太)が駆けてるんで、あそこを仕掛けられる浩平がすごい。(最終4コーナーでは)抜けると思ったんですけど、踏み返しがすごかった。自分はチャンスがあったのに、あれを抜けないんじゃ…」
同県の先輩、脇本の先行を利した小森貴大が3着。しかしながら、課題が山積の確定板入りでもあった。
「(周回中は)どの並びでも厳しくなると思ってたけど、相手の出方次第、出たとこ勝負で脇本さんが組み立ててくださった。あんな展開になると思ってないなかで、あの距離を行ってくれた。それなのに、なにもできず情けないです。まだまだ脚力も、技術も足りないと思い知った。ラインで決めるっていうことを、今度は自分が仕事してできないと。本当にまだまだです」