• 武雄競輪場開設75周年記念大楠賞争奪戦4/10〜4/13

後記 GⅢ 武雄 04/10

4連勝で地元記念初制覇

山田庸平

山田庸平

決勝優勝写真
決勝優勝写真
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 地元では、すでに昨年3月の万博協賛G3を優勝していた山田庸平だが、地元記念の優勝はまだなかった。ついにつかんだ地元記念制覇の栄誉。初日特選から破竹の4連勝で、牙城を守り切った。
 九州4車の先頭を担った嘉永泰斗が、打鐘前から気持ちのこもった先行策に出る。ハイペースな流れで、山田庸は決して楽に番手を回った訳ではなかった。その中でも、4番手からまくった太田海也の仕掛けは察知できていた。嘉永の思いに応えるべく、山田庸はバックから番手まくりに出た。
 「(嘉永)泰斗の踏み方的にオーバーペースな感じで、自分は半車身くらい空いてて、余裕はなかった。(太田のまくりは)なんとなく見えていたけど、4番手に入っているとは思っていなくて、来たタイミングがなんか違った。でも、反応できて、最後までしっかり踏めたと思います」
 4コーナーでは、山田庸の後輪と、太田の前輪が接触して太田が落車してしまう。二次予選、準決は太田に前を任せていただけに「なんとも言えない感じだった」と、ゴール直後は複雑な心境だった。ただ、地元ファンの期待に、これ以上ない形で応えたことは事実。素直に、結果を喜んだ。
 「優勝することは意識せず、去年は失敗しているんで、失敗しないように、楽しんで走ろうと思ってました。自分が地元でメインで走れることなんてないし、楽しもうと思ってた。地元で完全優勝できるなんて思ってなかったですし、最高の結果だと思います」
 ウィナーズカップでは最終日にバンクレコードを更新し、勝ち上がりこそ逃したがシリーズ3勝。2場所で7勝の固め打ちで、状態の良さが結果に表れている。初タイトルにも、自ずと期待がかかってくる。
 「風が強い中でも、周回中の感覚は良かったし、引き続き状態は良かったと思います。一日一日、自転車と向き合って、その中でG1を戦えればと思います」
 一つずつ実績を積み重ねる山田庸が、最高の流れに乗って、G1の最高峰。日本選手権競輪へと乗り込んでいく。

 山田久徳は、太田のダッシュに車間が空きながらも懸命に追いかける。3コーナーの山を乗り越えて、2着に入った。
 「ジャンのダッシュと、次のバックで2回離れてましたし、何とか追い付いてという感じでしたけど、正直追走できていない。スタートを入れたら3回離れてましたね。近畿の選手ならそのまま離れたりもありますけど、追い付くことはできたし、近畿にはいないまた違う種類の強さというか。最低限のことはできたと思うんですけど、ほぼ自力の感じでしたね。落車明けなのを入れたら及第点かなとは思いますけど、(太田)海也のおかげです。またしっかり練習したいですね」

 後ろ攻めとなった関東勢には、苦しい流れ。後方からまくり追い込んだ坂井洋を、杉森輝大が交わしたが、前が遠い3着。
 「(スタートは)太田君が取りにいったら取れないなと思いましたし、初手は想定内でした。今日は嘉永君が駆けるんじゃないかなと思っていましたし、モガき合う形になっていい展開になったんですけどね。スピード域がすごかったので、緩む場所もなかった感じです。あれが現状であそこまででしたけど、欲を言うとゴール前勝負したかったですね。フレーム自体が腰が抜けている状態だったので、次回は新車を使うか考えて走ります」

Race Playback

レース展開4
 嘉永泰斗選手の先行に乗った山田庸平選手は、後続の反撃に合わせて番手発進。そのまま先頭でゴール線を駆け抜けた

レース経過

誘導員 : 成松春樹

 号砲が鳴り響くと内枠の3車と高橋築が飛び出し、太田海也が誘導員の後ろに付いた。初手は太田-山田久徳、嘉永泰斗-山田庸平-山口貴弘-園田匠、坂井洋-杉森輝大-高橋の並びとなる。 青板周回の3コーナーから坂井が上昇を開始。赤板で坂井が正攻法の太田に並びかけると、太田は車を下げた。坂井率いる関東勢が前に出たところを、すかさず嘉永が先陣を受け持つ九州勢が襲い掛かる。打鐘で九州4車が主導権を握り、太田がこれを追う。2センターで太田が踏み込むのに合わせて嘉永もペースを上げるが、4番手の園田は口が空く。太田は山口の後ろにスイッチして反撃するタイミングをはかる。太田が2コーナーからスパートすると、これに気付いた山田庸も番手から自力に転じる。7番手の坂井も踏み込むが前は遠い。3コーナーからイン山田庸、アウト太田でつばぜり合いとなり、太田の仕掛けに遅れていた山田久が追い付く。4コーナーで山田庸が踏み勝ち、太田は山田庸の後輪に接触して落車。山田庸は力強く押し切って地元記念初Vを達成。落車を避けた山田久が2着。まくり上げた坂井に乗った杉森が3着。

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