• 広島競輪場開設73周年記念ひろしまピースカップ12/20〜12/23

後記 GⅢ 広島 12/20

地元記念V5を達成!!

松浦悠士

松浦悠士

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 3年のリニューアル期間を経て再開した広島競輪場。「宇品ブルー」に染められた新しいバンクになっても主役は松浦悠士だった。66周年記念の地元記念初制覇から通算5回目の地元記念優勝を遂げた。
 「自分だけではなく広島の誰かが優勝できればと思っていたので良かったです。広島記念は初優勝を飾ってからは(出場時は)連続で優勝させてもらっている。今回は連日、すごいお客さんが多くて、一時期は廃止の話もあったなか、改修していい施設を作ってもらい、選手は幸せだと思う」
 新しくなった競輪場には連日、大勢のファンが詰めかけ、選手に声援を送った。今でこそ、売り上げは順調に推移しているが、厳しかった時代を知っているからこそ、新しい施設に感謝をしながら走っている。
 レースは町田太我が犬伏湧也を叩いて主導権を握り、別線の巻き返しを許さなかった。
 「(町田が)すごく強かったです。大川(龍二)さんが外にいたのはわかって、内に星野(洋輝)君がいるのもわかっていた。(清水)裕友が外から来たのもわかっていたけど、太我のカカリが良くて、あまり仕事はしなくていいかなと。本当はワンツースリーを決めたかったけど事故もあったので」
 今年は平原康多氏の引退により、7月1日からS級S班に昇級。だが、サマーナイトフェスティバルの落車で血気胸、肋骨骨折などの重傷を負い、寬仁親王牌の落車でも肋骨を骨折し、怪我との戦いだった。
 「怪我もあったけど、それを早く治せないのも自分の力不足だし、落車に関しても自分が未熟だったし技術不足。そういうところをしっかりやっていけば来年はグランプリに乗れると思うので自分を信じてやっていきたい」
 12月は佐世保記念、広島記念での優勝と、25年の最後は良い形で締めくくることができた。来年はS級1班での戦いになるが、巻き返しの1年に向けて気持ちも前向きだ。
 「また広島を走るのが楽しみです。何とか全日本選抜にも乗れるし、特別を勝ってグランプリに出たい。今回は今年いっぱいで登録が終わる車輪から、新しい物を組んでもらって正解も出たので良かった。来年につながると思います。ダービーの特選も狙えるところにきたし、1月もしっかり走っていきたい。また明日から頑張ります」

 打鐘から巻き返した町田太我のスパートは迫力満点。2着に粘って松浦とワンツーを決めたが、レース後の瞳には光るものあり、悔しさが残った。優勝こそ叶わなかったが、パワーアップした姿は地元ファンの記憶に深く刻まれたことだろう。来年度の27年に当地で行われる全日本選抜でリベンジを誓う。
 「(突っ張られた山口拳矢が降りてきて)そこはしっかり対応しないといけなかったです。(打鐘からの巻き返しは)犬伏さんが駆けていなかったので助かりました。(仕掛けた感触は)もらったと思ったけど、(松浦に)行かれてしまいましたね。あの展開で押し切れないのは自分が弱いです。(来年度は広島競輪場で全日本選抜があり)来年は(広島)記念がない。(広島で行われる全日本選抜には)来年1年、しっかりと頑張って出場できるように、まずは来年の1月にここのF1があるので頑張りたい」

 地元勢とは別線勝負になった清水裕友。犬伏が内に包まれてしまうと、最終2コーナーからは自ら踏んでいったが、松浦の外を乗り越えることはできずに3着で今年の最終戦を終えた。来年の3月に地元の防府で行われる「ウィナーズカップ」に向け気持ちを入れ直す。
 「初手は中団が良かったけど、松浦さんも出る感じがなかったので出るしかなかった。(山口)拳矢を出させて町田君に行かれるときついなと思って、(犬伏が)一つ突っ張ってからだったけど、町田君が強かった。外を仕掛けてみたけど及ばなかった。(接触もあったが)それがなくても1着は難しかったと思う。来年に向けて課題もありますし、しっかり練習も見直してやっていきたい。(来年は地元でウィナーズカップがあり)まずはそこに向けてやっていきたい」

Race Playback

レース展開4
 強烈なカマシで町田太我選手が主導権を握る。番手絶好となった松浦悠士選手がゴール前で抜け出し、新装なった広島競輪場で初の記念覇者となった

レース経過

誘導員 : 中村昌弘

 号砲が鳴ると松浦が誘導員の後ろに付いたが、清水が前に入り、犬伏湧也-清水が前を固めた。これに町田太我-松浦-大川龍二の地元トリオが続き、単騎の星野洋輝、小川勇介が追い、即席ラインの山口拳矢-松谷秀幸が後攻めとなった。 青板周回の2コーナーから山口-松谷が踏み上げると、単騎の小川も続く。赤板で山口は犬伏に並びかけたが、犬伏は突っ張って出させない。山口は犬伏-清水の後ろに降りて、ジャンは犬伏-清水、山口-松谷、小川、町田-松浦-大川、星野の一本棒で通過。3コーナーで町田がスパートすると、これに気付いた犬伏もペースを上げる。町田に松浦はきっちり続くが大川は離れてしまい、松浦には切り替えた星野が追う。絶好調だった町田の脚勢は素晴らしく、最終ホームであっさりと犬伏を飲み込んだ。松浦、星野で続くが、大川が追い上げて2コーナーでは松浦の後ろが並走に。叩かれた犬伏から切り替えた清水は、休まずに最終バックでまくり上げたが、町田のカカリは良く、松浦の後ろまでが精一杯。山口は清水を追いかけるも、2センターで落車した大川のあおりを受けて伸びない。絶好の展開が巡ってきた松浦は、余裕で町田を差し切り、地元記念5V目を達成した。逃げた町田が2着に粘り、3着には清水が入った。

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