後記 GⅢ 小田原 08/29
連覇の期待された桐山敬に稲川翔、稲垣裕とネームバリューのある選手が、二次予選で続々と敗退した。33バンクの舞台で波乱の立役者を演じたのは機動型。一ノ瀬匠はシリーズの4日間すべてレースを支配。3着3回の未勝利ながらも、二次予選では絶対視されていた稲垣、稲川のラインを不発にして、ラインで上位独占の奮闘を見せた。
「連日、自分のレースをしただけですけど。気持ちの面では、初日をクリアしたことが大きい。これで次からはもっと(別線に警戒されて)やりづらくなってくると思うけど。そこをなんとかできたら、もうひとつ上の段階にいける」
一次予選で一ノ瀬に屈してシンガリに沈んだ三田村謙は、それをばん回するべく2日目以降で主導権を握る積極策を披露。
「先行はできたんですけど、結局1勝もできなかった。やることをやって負けているんで練習ですね。前期は95点ですから、そこと比べると良くなってはいます。(ギア規制が実施されて)どうしたらいいのかわからない時もあったけど、フレームを変えて、(自転車に乗る)ポジションも変えた。いまはこれだっていうのがある。落車で怪我をされている(川村)晃司さんですけど、怪我をしていても見習うところがたくさんある。お世話になりっぱなしなんで、早く恩返しをしないと」
寬仁親王牌の落車で右手中指の腱断裂の重傷が癒えないまま強行出場した桐山敬は、1勝止まりも意地は見せた。
「もう走って戻すしかないですから。(指は)大丈夫ではないですけど、競輪選手をやっている間はハンドルが握れればいいんで。G1(オールスター)までにはしっかりと仕上げます」
「上位陣と比べて、いまの状態でどれだけできるか」と、前検日に今シリーズを位置づけていた新田康は、2735着。
「ほとんど自力での戦いだったけど、まだまだですね。練習と違って競走はいかにアドレナリンを出した状態でどれだけ走れるか。そこは実戦でしかできないんで、腐らず頑張りますよ」