混戦も武田豊に期待
シリーズリーダーはやはり武田豊樹か。7月四日市記念では初日特選、準決勝と着外に沈むなど現時点で状態は万全と言い難い。それでも今年は全てのG1で優出し、6月高松宮記念杯を優勝とここ一番の勝負強さや集中力は輪界屈指。後半戦へ向けて、しっかりと課題を修正してくるだろう。昨年の当所記念は準決勝5着に敗れているが、残り3走は全勝。短走路でこそ武田の総合力が生きる。木暮安由は8月伊東F1で落車した影響が気がかり。体調さえ問題なければ、あっせんが止まった6月の貯金や当所は昨年12月のF1戦で完全Vの実績がある点など木暮には有利な材料は多い。関東の目標が豊富な飯嶋則之にもチャンスのある開催だ。
桐山敬太郎は寬仁親王牌最終日に落車。ここまでにどれだけ状態を戻せるかが大会連覇へ大きなポイントになるだろう。今年も自力型は和田真久留に松坂洋平、後ろを固める追い込みには林雄一と援軍は充実。状態さえ戻れば好条件はそろっている。高松宮記念杯、寬仁親王牌と連続で落車している和田だが、続く四日市記念で2連対と大きな影響はなさそう。短走路のここなら自慢のダッシュを最大限に生かせるだろう。林は肩甲骨骨折から復帰3場所目の7月川崎F1で優勝。その後も成績は安定しており、南関のライン固めに終わらない鋭いキメ脚でVをさらうか。
近畿勢はS級S班の稲川翔に稲垣裕之、さらには中村一将、南修二と、第3勢力では終わらない充実した戦力を誇っている。今年はずっと好調を維持している稲垣はシリーズ屈指の機動型。今年はタイトル目前の活躍を見せているが、ここまで記念の優勝はない。武田、桐山が本調子を欠くようなら、優勝の確率はさらに高まりそうだ。稲川は寬仁親王牌、7月福井記念で連続落車している。小松島記念では2勝を挙げるなど復調の気配はあっただけに、影響さえなければここはチャンス。稲垣、中村と好目標のあるシリーズで記念初優勝を飾ることができるか。中村は四日市記念では3日間番手回りを経験し、準決勝ではカマして3着と調子もいい。さらに7月から気配のいい南修二もいる豪華メンバーだ。
小松崎大地、高橋陽介と機動型2枚を擁する北日本勢。小松崎は一時のスランプを脱出した感があるし、高橋も寬仁親王牌で準決勝まで勝ち上がっている。ともに調子は上向きで、ここに差し脚冴える大槻寛徳が加わるライン構成は侮れない。
中四国の機動型が手薄とはいえ岩津裕介の存在は軽視できない。目標不在なら前々にタテ勝負ができるし、メンバー次第では中近の機動型を目標にできそう。必ず優勝争いに加わってくるだろう。柴崎淳も四日市記念で見せた走りは軽快だった。四日市から配分間隔も十分で、ここまでにはさらに上積みが望めそうだ。