向日町記念といえば毎年、地元京都勢が固い絆を見せるシリーズだ。大会連覇を狙った村上義は優勝に手が届かなかったが、ファンの前で完全燃焼した。

　「この夏はちょっとしんどかったけど、毎日できることを必死でやってました。オールスターと地元記念は結果が求められる開催。でも、今回は新田が強かった。（優勝を）持っていかれたけど、僕自身は４日間、最善を尽くしました」

　大怪我からの復帰戦となった村上博は4173着。準決勝敗退も復調への足がかりはつかんだ。

　「骨折自体が初めてなんで、戸惑いもありました。今年は落車ばかりだし、１回休んでからしっかり立て直そうと。ここに向けて、やれることはやってきました。実戦を走って、自分の感覚と実際の動きにズレはあったけど、まあまあ走れたと思います。次に向けて頑張ります」

　川村晃も鎖骨骨折からの復帰２戦目。まだ本調子には程遠いが、確実に上向いている。

　「前回のオールスターに比べたらだいぶ良くなったけど、いい頃に比べるとまだまだですね。これは走りながら戻していくしかない。競輪祭までにはいい状態に戻したいですね」

　最終日の11レースはケイリンエボリューションが一発勝負で争われた。レースは３番手から動いた三谷竜を前受けの菅田和が突っ張ると、そこを早坂秀が一気にカマして出る。抜群のスピードで他を寄せ付けず完勝。走り慣れたカーボンフレームで力の違いを見せた。

　「すごい緊張しました。あの位置から仕掛けて、まくられたらしょうがないですからね。菅田先輩が出してくれなかったら厳しかったと思います。落ち着いて走れたし、楽な展開にはなったんですが、思ったよりも踏めなくて、ゴール前は苦しかったですね。新しいスタイルの競走でまだ手探り状態だけど、それなりの走りはできました。新しいものに挑戦することは大事。みんな動いて面白いレースだったし、これで興味を持ってもらえるといいですね」