大一番の決勝は新田祐と浅井康の直接対決に注目が集まったが、今回は地元勢の奮闘も光ったシリーズとなった。唯一のファイナリスト、三谷将は「相手にならんかった。あれだけ前が頑張ってくれたのに。悔しい、力不足…。また来年頑張ります」と地元Ｖならずも、番手まくりで気を吐いた。

　地元６名中、５名が準決勝へ。これには番組編成課も頭を悩ませたほどの嬉しい誤算。中井俊は優出こそならなかったが、初の地元記念で４日間主導権を握り、見せ場を作った。「足りない部分が多かった。もっと脚を付けて来年も呼ばれるように」と今後の課題に取り組む。兄の太祐も、兄弟で初めて臨んだ地元戦を「まあまあでした」と振り返る。「トータルで脚力が足りてない。練習では弟の方が強いし、追い掛けて頑張る」。

　三谷竜は最終日、中井俊と組み地元の意地を見せて勝利で締めた。「初日は感じ良く踏めたけど、優秀戦は踏み上げ方に失敗した」とまくられ５着。「それを克服してダービーこそ」と次回に懸ける。

　唯一、初日で涙を飲んだ伊代野貴は、最終日に待望のＳ級初勝利を挙げた。意外にも、これがシリーズを通して地元勢の初勝利となった。

　「将太と『今回地元の１着がないな』と話してたんですよ。もっと早く勝ちたかったですね。負けが込んで『勝てないのでは』と気持ちも落ちたこともあったけど、これを機に今後はもっと頑張ります」

　主力組では木暮安がダービーに向けて気配が良い。全日本は失格を喫したが、その後は練習十分で好調を維持している。「バッチリというくらい、ずっと良い感じで踏めてました」。今回は準決勝で事故棄権したが、最終日は圧勝。次回に注目だ。

　松崎貴は２月の単発レースを除き今回が復帰戦。３日目は予想外の先行策で八日市屋浩の勝利に貢献。最終日は８番手まくりで中部ワンツー。「３日目は８割先行と決めてました。まだ横に恐怖心があるし、縦に動いて脚を戻して戦法にも幅を持たせようと思って。感覚は戻ってないけど、次に繋がる開催だった」。今後も追ってみたい。