後記 GⅡ 富山 09/16
オール予選の初日に続いて、二次予選も自動番組編成で行われた今シリーズ。しかしながら、決勝にはSS班5人が順当にコマを進め、シード権のないなかで役者の違いを見せた。その決勝で人気を分けた浅井康、平原康が失格、落車。力勝負を期待して、車単では両者の表裏が1、2番人気だっただけに、後味の悪い幕切れとなった。
「もう少し踏ませてもらって、(浅井に)並んだ時に体と体の勝負がしたかった。骨折はないけど、擦過傷がひどくて、(復帰まで)どのくらいかかるかわからない…」と、痛々しい姿の平原は言葉を振り絞った。
リオ五輪で日の丸を背負い競技に専念していた渡邉一、脇本雄、中川誠が本業で顔をそろえた。4カ月ぶりの“競輪”に試行錯誤の渡邉は、4811着。3日目から感覚を取り戻し、見違える動きが目を引いた。
「シューズのセッティングが出てなかった。競技に合わせていたら、うまく脚が回らなかった。それで3日目にオリンピックで使ったのじゃなくて、G1(全日本選抜)を獲った時の(シューズ)に換えた。そしたらこんなにも違うんだって思い知らされました。2日目に修正できてたら面白かった。気づくまでの代償が大きかったですね」
五輪後、エボリューションで“現場”復帰はしていた脇本が3勝をマーク。が、違和感を埋めながらのシリーズだった。
「日に日に体が競輪に戻ってきているのはわかっているけど。それに対してセッティングを合わせるのが大変。(初日にカーボンで100出てたのが、競輪用だと70と言っていたが)、この開催で80にいったかどうか。カーボンで走ってて瞬発力は上がってるんで、持久力を上げていきたい」
吉田拓、新山響、同期の躍進にも、はやることなく鈴木竜は地に足をつけて先を見据える。
「いま2人と比べられるのはしょうがないけど。焦らずに自分のペースでいきます。(時が過ぎて)5年前強かったって言われてもイヤじゃないですか。積極的には行けたけど、まだまだ力不足です」