松岡貴のＧ３初制覇で幕を下ろした伊東記念。短走路を舞台に、スリリングなスピードレースが繰り広げられた。

　気配が目立ってよかったのはベテランの後閑信だ。準決勝は目標不発の展開から鋭脚発揮した。

　「脚は回しているだけでかなり楽だったし、久々にいい感じで踏めました。よくなる兆しは出ているので、これからもっと上げていきたいですね」

　吉田拓にとっては年末のヤンググランプリを控えた大事なシリーズ。周囲の厳しい包囲網に苦しめられ、決勝進出を逃してしまった。

　「４日間の内容、感触はあまりいいものではなかったので、このあとはヤンググランプリに向けて、日々、考えながら調整していきたい。次はもっといいパフォーマンスを発揮したいですね」

　地元勢は新田康が決勝に進出。そのほかでは小林則が２253着と健闘した。

　「ここのところずっと腰が痛くて、練習もあまりできなかったんですよ。体調が万全ではなくて不安だったんですが、思ったよりも走れました」

　最終日の第９レースに行われたレインボーカップＡ級チャレンジファイナルは109期の佐伯辰が優勝を飾った。レースは赤板で斬った大石剣を渡辺福が叩いて先行。マークの近藤夏は離れて、大石が渡辺の後位に収まる。最終２コーナーから大石が番手まくり。その後ろから谷口も踏み込むが、佐伯がさらにその外を豪快にまくって快勝した。

　「残り１周半を過ぎたら、行けるところがあれば仕掛けるって決めてました。脚的には余裕があったし、踏み出してからの感じもよかったです。いつもよりも踏む距離は短かったので、すんなりまくれました」

　デビューから先行中心のスタイルで、まだ1度も確定板を外していない。１・２班戦でも攻めの姿勢を貫く。

　「同期はもう10人以上が上がっているし、しっかり追いつきたいですね。１・２班戦に上がっても、これまでと同じ先行メインで走るつもりです。来年の今頃にはＳ級で戦えるように頑張ります」