16年最後の記念開催は、原田が２度目の記念Ｖを果たして幕を閉じた。一方で優出を逃した選手達も、新年へ向け最後まで奮闘を見せた。

　河端朋は初日、二日目を逃げ切りと無傷で準決勝に進出。本業と競技での練習成果が表れてきた。

　「（16年を振り返って）そこまでかな。競技の走りからすると、まだまだ物足りなさはありますね。でも、だいぶ練習の脚をレースで出せるようになってきた」

　「地区プロぐらいから吹っ切れたというか、良くなった感覚があったので」と前検日に語った伊原克。その言葉通り、３142着とまとめ、新年への足掛かりを得た。

　「地区プロ、エボリューションとカーボンで走って、次の富山で競走用の自転車でも結果が出せたのが大きかった。脚よりもメンタルの部分がデカいです。（最終日は）もう少し早めに踏めたらよかったけど。そこらへんの課題はありますね」

　特進を果たすなど、地元記念出場へハードルを超えてきた吉本哲。Ｓ級復帰２戦目ながら結果は４271着と奮闘した。

　「（１年間）ここに向けてやってきました。気持ちも、下に落ちないじゃなくて、上を目指そうと。（今シリーズは）107点くらい取れているってことは、それくらいの脚はあるのかもしれない。（Ａ級で自力に戻して）総合力は強くなっていると思います。あとは（今後の）結果ですね」

　最終日の９Ｒにはケイリン・エボリューションが行われた。勝ったのは16年の来日最終戦となったデニス・ドミトリエフ。打鐘から仕掛けた工藤文の奇襲策を冷静に対処し、後続を千切って圧勝。世界レベルの実力をまざまざと見せつけた。

　「（工藤の仕掛けは）サプライズでしたね。強い選手ならまずかった。最後のレースで勝てて良かった。（今シーズンは）リオ（五輪）にいっていて、そのあとにインターバルが空いて前半は本調子ではなかった。でも、後半は決勝にも乗れたし、良いレースができた。日本は第二の故郷だと思っているし、東京（五輪）でも金メダルを取りたい」