後記 GⅢ 玉野 03/02
決勝戦のレースが全てを象徴する見ごたえのある4日間だった。優勝した村上義はもちろん、吉田拓と原田研の主導権争い。前半戦連勝の神山拓も最近の好調さを物語る走りだった。
本来ならその争いに加わっているはずの中井俊だが空回り。最終日に上がり11秒1の脚を見せたが、時すでに遅かった。「状態はいいのに、何がアカンのか…。また頑張ります」。軌道修正してウィナーズカップに臨む。
動きが光ったのは小田倉勇だ。今シリーズは2着2回を含む3度の確定板。切れのある走りを見せた。
「やれば強くなると思ってやってきたけど、3カ月前から徐々に練習量を減らして今はやってるときの半分にした。感じはいいですね。しっかり回せるようになった」
その小田倉の番手から最終日の特別優秀で気迫の走りを見せた武藤龍。「たまたまです」と謙そんするが、追い込み選手としての経験値は着実に増している。
西本直は4日間バックを取るなど積極的だった。
「そういう感じじゃなかったけどバック取ってましたね。去年(9月京王閣、10月小松島と連続で)落車してからずっと悪かったけど、2月くらいから感じがよくなってきた」
S級復帰後は苦戦が続いていた高津晃は「入る準備はしてたけど、今回はよかった。感覚がマシになった」と補充で13着。昨年4月街道練習中の落車からなかなか状態を戻せずにいたが、地元記念で復調のきっかけをつかんだ。
最終日9Rに行われた災害復興支援レースを制したのは郡司浩。逃げる石塚輪ら近畿コンビを中団確保からまくり切った。
「中団を取れたのが大きかった。しっかりかぶる前に仕掛けられたし、落ち着いて行けてよかった。これからは人気になるところで期待に応えないといけないので」
2着の市田佳は「一発勝負でも大舞台。(先行で)2周走れる、いいアピールになったと思う。いい選手になってくれそう」。近畿に現れた若手の走りに目を細めた。