地元岩津裕が軸の中四国勢
中四国勢はS班の岩津裕介を軸に結束する。岩津は年末のグランプリから復調一途。今年は立川、松山と記念連続優出している。原田研太朗も2年連続の記念優勝で1年をスタートするなど調子は良好。中国勢にとっては頼もしい存在だ。現に岩津と原田は全日本の最終日にもワンツーを決めたばかり。さらに太田竜馬、竹内翼の若手機動型もそろって参戦。3年ぶり、4度目の地元記念優勝を狙う岩津にとっては好材料がそろっている。三宅達也、友定祐己も条件は同じ。ともに好調を維持しているだけに、地元記念初優勝へチャンスを生かしたい。
中四国勢にとって一番怖い存在は村上義弘か。昨年はラスト半周、平原康多との壮絶なモガき合いを制してグランプリを優勝。ただコンスタントに決勝進出していながら記念ではなかなか勝ち切れていない印象だ。自力はもちろん、今シリーズも山田久徳、中井俊亮と前を任せる頼もしい機動型がそろっている。後輩たちとの好連係で昨年4月高知以来となる記念優勝を狙う。山田は2月のあっせんがなく、今シリーズが1カ月ぶりの実戦となる。レース勘の不安はあるが、年末の落車のケアも含め練習、調整は十分できるだろう。中井はS級初挑戦だった昨年1年で大きな飛躍を遂げた。今年も四日市でVスタート。全日本でも2勝をマークとアピールしていた。ラインの先導役にとどまらない力強い走りが魅力だ。スジの機動型が手薄な金子貴志は自力か近畿勢と呼応して優勝争いに加わる。
石井秀治も全日本を着と実力を誇示。年末には佐世保記念、松山と連覇もあったパワーはVを狙うに十分。しかも、今シリーズは、全日本でも二次予選で連係した近藤隆司が追加参戦。その二次予選では三谷竜―村上を相手に近藤が先行勝負に出て、石井を2着で準決に送り込んだ。ここも息の合った信頼感バッチリな走りで、他地区勢を脅かす。
平原は不在となっても、関東勢も侮れない勢力なのは変わりない。芦澤大輔は2月大宮で木暮安のまくりを交わして優勝と差し脚好調。神山拓弥は全日本で久々のG1決勝の舞台に立った。この2人にチャンスをメークするのが吉田拓矢。1月防府では動きが重かった吉田だが、これは地元ビッグに向けて調子を上げる最中だったから。その全日本では準決4着で決勝進出は果たせなかったが、二次予選では古性優らに何もさせずに逃げ切った。シリーズ屈指の先行力で狙うは記念初優勝だ。
九州勢は北津留翼、坂本亮馬の90期コンビが好調だ。北津留は11月防府、1月立川と立て続けに記念を優勝。内に切り込むレースが癖になり、その後のF1戦は決勝進出を逃したが、2月岐阜の最終日は豪快なまくりで健在ぶりをアピールした。坂本は今年早くもF1戦2Vと鋭いタテの脚が戻っている。