後記 GⅢ 弥彦 07/29
決勝進出は渡邉雄だけにとどまったものの、105期、107期の火花散る激突がシリーズを盛り上げたのは間違いない。渡邉をはじめ、吉田拓、取鳥雄、清水裕、山岸佳、堀内俊の6人は、地区をこえて7月21日から3日間、競輪学校での合宿を敢行して今シリーズへ。そのうちの5人が準決へと進んだだけに、その効果は言うに及ばずだろう。
初めての記念特選スタートだった取鳥は9181着。準決では2車のラインながら4車の吉田ラインを不発に追いやる先行策。そして最終日は、山岸をスピードで圧倒する逃走劇とライバルを力で制した。
「手の内がバレているから力勝負するしかない。初日、2日目がどんくさかったんで、そのぶんは取り返せたかなと。オールスターは岩津(裕介)さんとか岡山の先輩の前で走るチャンスがあるんで、帰ってしっかり練習をします」
山岸は木暮安との2車のラインで、竹内雄相手にまくりに回った準決を悔やむ。
「僕は先行で105点まで上がってきた。そういう意味では自分を貫かないとっていうのが…。こみあげてきたものがあった。(先行の)スタイルでやってきたんで、積み上げてきたものがムダになってしまった。たとえ9着でも竹内さんと勝負しないと…。情けないし、見ているお客さんがつまらなかったと思う」
松永晃は542落と数字的には平凡も、3日目の2着で好配当を演出。玄人好みの走りを見せた。
「今回から初めて使うメーカーの新しいフレームにした。その感覚が一番競走得点が高かった時に乗っている感じに、すごい似ていた。最終日も余裕があったからこそああなってしまった。落車したけど、体もフレームも大丈夫。もう1回ブレイクしたいですね」
鎖骨骨折からの感染症で新田康は、およそ2カ月のブランクを経ての復帰が2989着。
「練習ではだいたい戻っているんで、あとはレース勘くらい。ただ、わかっちゃいたけど悔しい。急には無理なんで、コツコツとやっていきます」