台風の影響で初日、２日目は厳しいバンクコンディションの中で行われた。そのなかで存在感を発揮したのは菊地圭だ。２日目の優秀戦は単騎でまくって３着。後輩の前を買って出た最終日の特別優秀戦は果敢に主導権を奪った。

　「新田（祐大）や早坂（秀悟）の強さを考えると、自力がないと後ろに付くのもきついんですよ。まだ自分の中で自力でやりたいっていう気持ちも残っていたので、最終日は自分から櫻井（正孝）に前を回らせてほしいって言いました。同じようなレースをするんでは意味がないので、それ以上の走りをしようと。今回は着以上に得るものがありました。競輪祭までにしっかり仕上げたいと思います」

　櫻井正は敗者戦で３連勝。最終日の菊地の走りで気持ちに大きな変化が起きた。

　「（菊地）圭尚さんが本当にすごかったです。全部、いい勉強になりました。やっぱり競輪は気持ちが大事ですね。成績的に落ち目だったんですが、もう１回、頑張ろうって思いました。言葉よりも行動が大事。自分もレースで後輩に伝えていきたいです」

　元砂勇は２192着と大暴れ。久しぶりの記念参戦でファンにアピールした。

　「（６月に）特進してからは初めての記念でした。足をケガして久々の実戦だったので、かなり不安はあったんですけど、４日間、いろんな戦法で走れて、すごい収穫がありました。これからが楽しみです」

　吉田拓は準決勝５着で敗退。満足のいく結果は残せなかったとはいえ、果敢に攻めたレース内容は評価できる。

　「内容はそれなりによかったけど、体が悪い。疲れが抜けなかったです。武田（豊樹）さんには見習うところが多いし、今回もアドバイスをもらいました。茨城の選手は武田さんのおかげでみんな強くなってます」