ピックアップ GⅠ 岸和田 06/13
競技ルールが改正されてから、初めて開催されたG1シリーズ。400バンクでは、赤板前に誘導を追い抜くと失格。それまでの青板バックより半周、失格基準が遅くなり、さらには誘導タイムが上がった。「暴走して勝機を逸したと認められる場合」の失格なども改正されたが、大きなポイントは赤板前の誘導早期追い抜きの失格とそこにおける誘導タイムのスピード化の2点だろう。
神山雄一郎
今期は3度の失格、一時はS級キープも危ぶまれた神山雄一郎だったが、着と上々の成績を残した。16度のG1制覇の偉業は言うに及ばずだが、輪界の“生き字引”として、重みのある言葉で振り返ってくれた。
「ルールの改正っていうのは、今回だけじゃなくて、これまで何度も行われてきた。僕もずっとそれに対応してきたし、対応できなければ淘汰(とうた)されるだけ。自分にとって(このルールは)地脚タイプなんでいいのかなって思ってます。それは成績が物語っている。最近の特別(G1)のなかでは良かった。練習と研究。(追い込みになってからの)15年分の成果ですかね」
村上義弘
西の“雄”、村上義弘は自身の対応を前提としたうえで、ファン目線でのルール改正を唱えた。
「選手それぞれが(ルール改正に)対応していかないといけないですけど。あとはファンの方々に面白いかっていうところだと思う。(ペースが違って)リズムが違うけど、そこはやってかないと。見ている人たちがいいと思ってもらえる競輪にならないと。(最終日は)負け戦ですけど、地元地区で応援してくれる方々が大勢いた。だから、1着を取って応えることができて良かった」
古性優作
着と不本意ながら二次予選で敗退した古性優作は、シリーズ後半で成績をまとめたものの課題の残るシリーズだった。3日目には前受けの鈴木竜士に突っ張られて、新ルールの辛酸をなめた。
「(前の選手が)突っ張る気だったら、突っ張れるような仕組みになってますね。自分も隙のないように押さえていったけど無理でした。セオリーが変わった。人より多く脚を使って、強い人を後方に置いて、先に仕掛けるっていうのが、自分の持ち味だけど。そういう絶対的なものがなくなった。これから新たにつくりあげていかないと」
吉田拓矢
古性と同様に吉田拓矢も、新ルールに苦しんで持ち味を出し切れないままシリーズを終えた。
「新ルールは難しいですね。外で(併走して)フタをするのもキツいし、出切って流したら叩かれる。攻め方を考えないと、先行するのも難しい気がしました。このあとはサマーナイトフェスティバル(7月13日から)までレース間隔が結構、空くので対策を考えながら練習して出直します」
平原康多
初日に落車に見舞われた平原康多は、その後シリーズを勝ち抜いて着。タイトル奪取の望みがあるかぎり、痛みを押して走りぬいた。準決では鬼気迫るまくりを見せた。
「(決勝は)いい位置を取れたけど、脚力が(脇本雄太と)違いすぎた。ワッキー(脇本)の掛かりがすごすぎた。ただ、落車のなかで戦えたってことは収穫です。あとは(怪我の)様子を見ながらですね」