今シリーズ２勝をマークした上田尭弥は、二次予選Ａではシンガリに沈んだものの、番手の荒井崇博を引き出す先行策を披露。Ｓ班の村上義弘や吉田拓矢といったネームバリューのある選手との対戦で得たものは多い。

　「今開催は目標のひとつでもあった井上昌己さんとの連係がかなわなかったのは残念でした。最近は少し成績が落ち込んでいたけど、２勝できたのは少しずつ上向いてきた証拠なのかなと思う。まだまだ脚力もそうだけど、レースの組み立てだったり上位選手とやった時や、想定外の展開になったときにうまく対応する術を身につけないといけない。来年は飛躍の年にしたい。いい形で年を越すためにも、ヤンググランプリでは大きなレースをしたい」

　上田と同じく立川でのヤンググランプリを年末に控えている藤根俊貴は、シリーズを４着。２度の確定板はともに先行策でのものだけに、未勝利ながらも大一番へは上昇カーブを描いてる。

　「先行ができたところは良かったけど、準決はひどすぎて目も当てられない。持ち味は長い距離を持続（して踏めること）だけど、ギックリをやってから体幹がうまく入っていかない。練習で手応えをつかんで、ヤンググランプリにいきたい」

　前々回の京王閣Ｆ１ではＳ級初優勝まであと一歩だった柿澤大貴は、今シリーズ予選を連勝。「調子自体は良かったんだけど、組み立ての失敗が多かった。しっかり位置を取ってやるべきことを」と、前検日に答えていたが、二次予選Ａは目の覚めるような８番手まくりを打った。

　「（二次予選は）もう開き直って行ったら、意外と出ましたね。最終日は（単騎で和田健太郎に流れ込みのようなレースで）自分で行っていれば今後にもつながるだろうけど、あれでは…。目標がいれば追い込みよりになりたいんですけど、地区的にも厳しいと思うんで」

　自身は反省の最終日だが、外併走からあおりをしのぐ落ち着いた立ち回りは、目を引くものがあった。

　最終日に一発勝負で行われたレインボーカップチャレンジファイナルは、脇本勇希がまくり追い込みで制した。２、３着の岩谷拓磨、小原丈一郎の上位３選手がＡ級２班に特班した。

　「（レインボーカップは）勝ちにこだわったし、勝つんならこれしかないと。溜めるだけ溜めて、最後に持ち込もうと。（Ａ級２班になってからは）内容を重視したレースをしたい。そうじゃなきゃ上（Ｓ級）にはいけない。これで（Ｓ級Ｓ級班の兄、雄太に）一歩近づけたかな」