若手自力型の競演
各地国に主力が分散し、優勝のゆくえは混とんとしている。狙いは絞りにくいが、勢いなら吉田拓矢が一番だ。11月西武園で今年4V目を飾って臨んだ競輪祭では着。好タイムのまくりを連発して一次予選1、2を連勝すると、3走目以降は一転して先行で勝負。ダイヤモンドレース、準決ではレースを支配して粘り込み、17年の高松宮記念杯以来のGⅠ優参を果たした。完全に仕上がっており、持ち味の鋭いダッシュを生かした攻めの走りで記念初Vを目指す。問題は関東の援軍が少ないことぐらいだ。
ヤンググランプリ2018を制した太田竜馬は、今年は一段と飛躍を遂げている。地元の7月小松島記念で4連勝を飾ると、9月岐阜記念では逃げ切りVなど6Vを達成。自力攻撃には一段と磨きがかかった。競輪祭ではまたしてもレースを見てしまう悪い癖が出て二次予選A敗退に終わったが、浅井康らを完封するカマシ逃げを決めた4走目を見ても調子は問題ない。脚的には吉田にも遜色なく、競輪祭でも連係あった小倉竜二の好援護も受けて徳島ワンツーは十分。
村上義弘、山田久徳、古性優作、野原雅也と実力者がそろった近畿勢も侮れない勢力だ。軸になるのは古性だ。“今の自分の脚力ではG1を獲りに来たとは言えない”と振り返った競輪祭でも3度の確定板入り。タテヨコ厳しい走りで存在感を発揮した。村上も一時期よりは上向いている感があるし、野原はF1戦ながら連対率が急上昇していて、スピードに切れが出てきた。好連係を決めれば近畿勢から優勝者が出ても不思議ではない。
井上昌己は地元記念に向けて確実に調子を上げている。最近は自力を多用しているし、結果も出している。10月弥彦着、競輪祭は予選を着でダイヤモンドレースに駒を進めた。一次予選2では、清水裕の上がり11秒2の快速まくりを余裕で差していて、自慢のスピードを遺憾なく発揮している。当大会は61、64、65周年と3Vを達成しているものの、一昨年、昨年は決勝には乗るも4V目は成らなかった。今年こそはの気持ちは強く持っているはず。九州の機動型として存在感を高める中本匠栄や、競輪祭ではやはり柴崎淳のまくりをあっさり交わすなど2勝をマークと差し脚抜群な園田匠らと意地を見せよう。
10月京王閣記念をV、親王牌、競輪祭とG1を連続優参と絶好調な和田健太郎もV候補。山中秀将、桐山敬太郎も競輪祭での動きは良かったし、昨年大会覇者の五十嵐力も健在とあって、南関勢も役者がそろっている。
さらに小松崎大地も親王牌の優参に続き、競輪祭でも準決進出と乗れていて一発秘める。