ピックアップ GⅢ 奈良 02/27
今開催は新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした、イベント開催規模縮小の要請を受け、グレードレースとしては初の無観客での開催実施となった。松谷秀幸が自身3度目となる記念を制し、平原康多、宮本隼輔は無傷の3連勝で優出するなどバンク内では熱いレースが繰り広げられたが、17億6353万9100円と売り上げは伸びず。前年比32.6%という結果に終わってしまった。
2月松山で昨年7月の大垣記念以来となる7か月ぶりの優勝を飾った宮本隼輔は勢いそのままに3連勝で決勝に進出。二次予選、決勝戦では「もっとはっきり踏んでいれば」と反省点を口にしたが、復調は誰の目から見ても明らかだった。
「少しずつですけど、感じはいいです。あんまり勝ちにこだわり過ぎず、リラックスして走れてる。それがいいのかもしれませんね」
神田紘輔はシリーズ3勝の活躍。連日、鋭いタテの脚を見せていた。
「2日目が残念だけど、調子は良かった。前回(2月高松)から3週間ぐらい空いたので、それまでの中途半端に踏む練習からスピード練習に一気に変えた。ダッシュにも余裕があるし、全体的に良かったですね。目に見えて効果が分かった開催でした」
津村洸次郎も今シリーズの動きが光った選手のひとりだ。「何も収穫がなかった。4日間で最悪だった」と最終日を振り返るが、二次予選は平原康、準決勝では宮本隼を相手にあわやの場面を演出した。
「今回は調子良かったと思う。自分はしっかり自分のレースをしてるかどうか。落ち着いて判断できるようになったんで、これを生かせれば点数も上がると思う。ここから崩れないように頑張ります」
眞杉匠は初日に逃げ切ってS級初勝利を飾ると、最終日も逃げ切り。シリーズ2勝で締めくくった。
「最初の頃より慣れてきた。12月から走ってるけど、S級はA級じゃ来ないところで来るんでレース中に焦ってた。だんだん落ち着いて走れるようになってきた。また、ここから焦らず、徐々に上がっていければ」
地元勢は三谷3兄弟、中井兄弟がそろってあっせんされていた。前検日に「成績は悪くないし、調子もいい。全部がかみ合ってくれれば」と話していた三谷政史は、かんじんな展開がかみ合わず二次予選で敗退してしまった。
「最悪ですね。脚的には悪くない。余裕もあったけど、中日(2日目)かな。流れが悪かった。本当に脚は悪くなかったんだけど。あとは自分のこれまでの点数ですね。これからもっと上げていかないと」
まさかの一次予選で敗れてしまった中井太祐は後半戦2連対で何とか面目を保った。
「勝ち上がりたかったですね。照準を合わせてやるのは1年でここぐらい。だからこそ勝ち上がりたかった。初日も行けるかなと思って行ってるけど、思ったより出てない。調整が違ってたのかな。そういうことも経験しながら。ここ数年は105点とこの辺を行ったり来たりしてる、やっぱり力が足りないです」