平原康がV争いをリード
全日本選抜決勝で落車した松浦悠士が欠場。ここは平原康多が高い総合力で優勝争いをリードする。今年の平原は1月立川記念着、同月大宮記念着、全日本選抜着で連対率は75%を誇っている。走っているのはステージの高いレースばかり。そこでもより良いものを求めて試行錯誤を続けながらの数字だけに高く評価できる。全日本選抜の決勝で、逃げた松浦の番手から自力に転じた清水裕友に直線で4分の3輪まで迫った伸びは素晴らしかった。連係実績が豊富な吉田拓矢との連係が叶うようなら前を任せるだろうが、先頭で戦っても十分に優勝が狙える状態にある。63周年以来となる当所記念Vを達成する可能性は大いにありそうだ。
地元の三谷竜生とS班村上博幸の近畿コンビも好勝負が見込める。このコンビは呼吸ぴたりで、全日本選抜の二次予選でもワンツーを決めたばかり。逃げた山崎芳を力ずくで飲み込んだ三谷をゴール前で村上が差し切った。三谷竜は一昨年、村上は昨年にこの大会を制していてバンクとの相性もいい。三谷将太も地元で気合が入るところだし、追加で山田久徳が参戦することで戦力に厚みも増した。近畿勢による大会3連覇は十分にありそうだ。
柴崎淳は調子が気になる。昨年は11月四日市記念でV、ビッグレースで13勝を挙げた実力者だが、最近は好調時のようなスピードの切れが見られない。昨年の競輪祭のダイヤモンドレースでは松浦を撃破した実績があるだけに、立ち直ってくれば優勝争いを賑わす。柴崎には練習仲間の坂口晃輔が続く。
和田真久留、松谷秀幸の神奈川勢に徹底先行の野口裕史とそろった南関勢も侮れない勢力だ。野口は1月高松記念の決勝では、松浦のまくりに屈したものの、積極的に駆けて直線でもしぶとく粘っていた。かなり警戒はされるだろうが、先行有利なバンクなので、主導権さえ握れば南関勢から優勝者が出ても不思議ではない。
松浦の欠場で戦力ダウンは否めない中四国勢だが、宮本隼輔がここへ来て調子を戻している点は頼もしい。昨年は9月高知で手首、12月久留米では鎖骨骨折と怪我続きの小倉竜二もここが復帰2戦目なら全日本選抜よりは上積みが望めそう。