ピックアップ GⅡ 福井 03/26
新型コロナウイルス感染症の影響で、ビッグ初の無観客開催となった今シリーズ。インターネット、電話投票のみでの4日間の売り上げは、25億6千万円強。115期の新鋭も加わり輪界のトップクラスが、エキサイティングなバトルを画面を通してファンに届けたが、当初の売り上げ目標であった65億円には到底およばなかった。
昨年の競輪祭(松浦悠士)、そして今年の全日本選抜(清水裕友)に続いて、またしてもこのコンビが優勝をさらった。松浦のVを演出した清水はシリーズを通して動きの良さが目を引いたが、それ以上にインパクトを与えたのが115期のルーキー高橋晋也だ。初のビッグ出場にもかかわらず、あわやのシーンをメイク。清水と同じ94年生まれの25歳が、これからの北日本地区をリードしていく。
「(決勝は仕掛けた)タイミングも良かったと思う。(最終)2センターくらいでは交わせるっていう確信があったけど、松浦さんに盛り返された。悔しかったけど楽しかったです。次につながるレースはできた」
一次予選から勝ち上がりの3走はすべて先行策。ナショナルチームに所属しているポテンシャルの高さをビッグの舞台で示した。
「しっかり魅せる競走で勝ち上がれた。ナショナルチームの看板を背負っているんで変なレースをしないようにしたい」
着の成績以上に復調をアピールした宮本隼輔も、94年組で言わずと知れた清水の盟友。2日目以降はすべて積極策。ケレン味のなさは、別線にとって脅威となろう。
「一時期よりも脚はいいけど、いい時と比べるとまだまだですね。気持ち的に開き直って、(仕掛ける)タイミングで行ってるのがいいのもしれない」
115期の在校ナンバーワン、坂井洋も同期の高橋晋也と同じ25歳。初ビッグで勝ち星を挙げたものの、満足できるシリーズでなかった。
「(3日目の1着の)勝因は展開。それだけ。同年代の(高橋)晋也君、清水君が決勝に乗って、自分は焦りしかない。これからひたすら練習して、みんなのレースを研究していかないと。根本的にすべてを上げていかないと」
前記した清水、高橋、宮本、坂井より学年は1つ上の野原雅也も94年生まれ。地元から唯一の参戦とあって、はかり知れないプレッシャーのなかで4日間内容のある走りを見せた。
「(3月別府での落車からの復帰で)あれがなかったら、また違った勝負ができたのかなって思います。(成績が)ダメでも(お客さんに)納得をしてもらえるようなレースをしていかないと。自分ではまだ納得はしてないですね」