若手自力型が大挙参戦
今年が第4回となるウィナーズカップ。過去3大会の決勝戦で確定板入りを果たしたのは、第1回=1着郡司浩平、2着中村浩士、3着平原康多。第2回=1着武田豊樹、2着平原康多、3着原田研太朗。第3回=1着脇本雄太、2着浅井康太、3着郡司浩平。他のビッグレースと比較すると圧倒的に若手の自力型が多く参戦していて、勝ち上がり戦は激しさを増しているが、実績上位選手が貫禄を示す結果となっている。
やはり昨年のベストナインであるS班を重視するのが自然だろう。中でも松浦悠士は素晴らしいスピードの切れを披露している。昨年は競輪祭を制してタイトルホルダーの仲間入りを果たすと、今年は1月和歌山記念、同月高松記念を連覇。全日本選抜の決勝で落車のアクシデントはあったものの、復帰戦の3月松山記念は初日特選を好位キープしてのまくりで勝つなど、動きは落車の影響を全く感じさせなかった。中四国勢は層が厚いのも松浦には追い風で、優勝に最も近い存在とみた。清水裕友の充実ぶりも素晴らしい。全日本選抜では松浦悠の逃げに乗り、初のG1奪取に成功。真っ先にグランプリ2020の出場権をゲットしている。3月玉野記念は二次予選A、準決と連勝し危なげなく決勝に乗っていて、相変わらず調子は良好だ。松浦との前後は流動的だが、好連係を決めての中国ワンツーは大いにあろう。中国勢では宮本隼輔も調子上向き。2月松山で優勝すると、同月奈良記念は3連勝で決勝に乗っている。
中国勢を撃破すれば平原康多だろう。1月大宮記念で優勝していて、同月立川記念、全日本選抜、2月奈良記念はすべて準V。今年はまだ決勝で1回も連を外していない。若手に前を任せることもあるが、機敏な立ち回りで好位キープから繰り出すまくりは豪快。先頭で戦っても番手戦でもそつなくこなしている。輪界を代表するオールラウンダーらしい走りで優勝をものにする場面は十分にある。
第1回大会の覇者・郡司浩平の単にも魅力を感じる。最近の郡司は絶好調。全日本選抜着、2月静岡記念着、3月玉野記念着と申し分のない成績だ。トップスピードが高いし、仕掛けるべきところで動けている印象で、ウィナーズカップ2V目をゲットしても不思議ではない。神奈川では松井宏佑も注目される。自転車競技中心の日程のため全日本選抜から競輪は走っていないが、昨年は11月別府記念で優勝していて脚力はトップクラスだ。
グランプリ2019チャンプの佐藤慎太郎は、レース巧者らしい走りで成績をまとめている。今年はまだ優勝こそないものの、グレードを問わず全場所で決勝に進出。3月玉野記念で連係した新山響平の調子がいいのは佐藤にとって心強い。その新山は3月玉野記念では郡司と同着優勝。準決、決勝と逃げ切った脚勢は素晴らしかった。