ピックアップ GⅡ 平 07/10
今シリーズは事前抽選、福島県内在住のファンを対象にした1000人という限定での入場だったが、「今回は限られたお客さんでしたけど、声援が力になりました」とは、ガールズケイリンフェスティバルで“夜の女王”に輝いた高木真備。以前は当たり前だったファンの前でのパフォーマンス、祝福の声のなかでのウイニングランを喜んだ。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響で7月の今期からG3までのカテゴリーでは7車立てが当面続く男子。「(9車立ては)走っていて、やっぱり楽しかったですね。ラインの戦いでオリンピックに出る選手にも先着できるっていうのは、9車のおもしろさだと思う」。すでに小松島で7車立ての記念を経験した清水裕友は、2月全日本選抜での初タイトル獲得が東京五輪代表組が不在だった。2度目のビッグを制した今シリーズは、脇本雄太、新田祐大が参戦しているなかでの優勝。初日特選、2日目準決は、ラインの力で脇本をやぶってのもの。初日は9番手、準決は7番手に脇本を置いて、セオリー通りラインが機能した9車立てらしいレース形態だった。
初日、2日目の予選で続けてシンガリに沈んだ奥井迪は、最終日にまくりで1勝。ここ3場所勝ち星に見離され、5月以来久しぶりの1着だった。
「(新型コロナウイルス感染症の影響で開催が中止の時に)体幹も強化していたし、いままでで一番パワーがついていると思う。だけど、それがうまく自転車に伝えられてない。いろいろ試しすぎて、いろんなところがかみ合ってない。ここまで(成績が)落ちたこともないし、来年に向けてっていうつもりで今年の残りはやっていきたい」
着。最終日はまくりで持ち前のスピードを披露した太田りゆだが、来月のガールズドリームを見据えて課題をあげる。
「(最終日は)自分のタイミングで思い切り踏みたかったので、かなり車間を切って後ろの2人(加瀬加奈子、柳原真緒)を行かせないようにプレッシャーをかけました。ただ、タイミングはなんか違うなっていうのがあった。(ナショナルチームでの競技の練習で)250でのタイミングがしみついて、400バンクのタイミングがつかめてない。力ずくで勝てればいいけど、オールスターみたいなメンバーになったらっていうのがあるんで、そこをつかみたかった」
今年3度のビッグレースですべて決勝に進んでいた和田健太郎は、今シリーズ残念ながら予選敗退。しかしながら、最終日には“らしい”シャープな差し脚で勝ち星を挙げて、02年8月のデビューからおよそ18年で通算300勝の区切りを達成した。
「(300勝は)できたらいいなって思ってたけど、こんなに早くとは。意識はしてなかった。意識したところでどうにもならないですから。ただ、最終日の(松坂)洋平もそうですけど、南関の自力選手が頑張ってくれて自分の1着が多くなっているんで感謝したい」
6月の高松宮記念杯の準Vで賞金を加算して獲得賞金は現在4位。初のグランプリ出場圏内にいるが、和田はあくまで冷静に口を開く。
「周りは言うけど、(グランプリ出場は)僕にはまったく見えてない。そんなに甘くない。高松宮記念杯の(決勝)2着があってたまたま。自分はこれからも一走、一走をしっかりと」
デビューから最速でのビッグ出場となった寺崎浩平は、2日目のまくりでビッグ初勝利。デビューからわずか178日で結果を残した。初日予選は村上義弘、最終日は同県の脇本雄太を連れて積極策に出た。
「トップスピードだけでいったら、通用するかなっていう感じもある。だけど、正直、自信はなくなりました。(2日目は)勝ち方がまくりだったし、ラインで決められてないので満足はしてない。ただ、1着を取れたのは素直にうれしい。脇本さんと連係させてもらったけど、前を任せてもらえると思ってなかったし自信もなかった。普段から前を任せてもらえるようなレースをしていかないと。近畿は若手の選手が不足しているように思うし、若手が頑張って近畿を盛り上げていきたい」