女王児玉碧が威厳を示す
悲願だった東京五輪代表の座をつかみ取って小林優香が帰って来た。激しさを増す児玉碧衣との同門対決が今シリーズも最大の焦点となりそう。本命には児玉を推す。昨年3回あった両者の対戦は児玉が2回先着。2年連続のグランプリ女王に輝いた児玉の脚力を素直に評価すべきだろう。開催中止が続いてモチベーションの維持にも苦労する時期もありながら常勝を義務付けられている児玉にとって、ガールズ総選挙で4年連続1位に輝いたのは何よりもの励み。ガールズの連勝記録更新も懸かるだけに、しっかり仕上げて大一番に臨む。小林優の動向を見ながら異次元ダッシュで一気攻撃を決めてくる。一方の小林優も児玉の後塵を拝し続けている気はない。6月松山MNで半年ぶりに実戦を走って完全優勝していてレース勘の不安もない。五輪開催が一年延びて走ることが叶った一戦。W杯メダリストらしく、好機に仕掛けてスピードに乗ってしまえば、児玉をも一蹴できる。
第2グループは、昨年覇者の石井貴子、石井寛子、梅川風子、高木真備らで横一線だが、最も勢いを感じるのは高木だ。開催休止明けの5月広島、6月大宮、川崎を怒涛の3連続完全V。休止期間中のトレーニングの成果が出て、広島予選2ではまくって自己ベストの11秒5の上がりタイムを叩き出した。今のデキなら児玉、小林優とも好勝負可能。思い切って仕掛けられれば面白い。レース巧者の石井寛、石井貴はまずは位置取り重視の組立てだろう。流れに乗って好位確保から差し、まくりの勝負でこれまで何度もビッグを勝っている。3月のガールズケイリンコレクションを除き、今年の33走を26勝、2着6回、3着1回の梅川の戦績も凄まじい。そろそろトップが一堂に会するビッグでも頂点に立つ時だ。
さらに、近況良好な佐藤水菜、長澤彩、柳原真緒に、完全復活を遂げた加瀬加奈子の動向にも注目。奥井迪、尾崎睦、鈴木美教、小林莉子らの底力ももちろん侮れない。