ピックアップ GⅢ 富山 07/30
稲垣裕之の4年ぶりの記念制覇で幕を下ろした富山記念。村上博幸に浅井康太、吉田敏洋らトップクラスの選手は7車立て9レース制の記念開催を初めて経験した。中部、近畿の2地区による争いは戦前の予想を覆して近畿勢が層の厚さを見せつけた。
村上博幸はシリーズただひとりのS級S班として存在感を放った。決勝は稲垣の前を自ら志願してサプライズの並びに。カマシ先行で同期を優勝に導いた。
「稲垣さんとは同期でデビューして長年、切磋琢磨しながら一緒に戦ってきました。稲垣さんにも苦しい時期があって、そこで一生懸命やってきたのをずっと見てきましたから。お互い40歳を過ぎて、競輪に対する今までとはまた違った思いもある。そういうのをしっかり話して、自分から前を回らせてくださいってお願いしました。7車っていうのもやっぱり大きかったです。先行は1、2割しか考えてなかったんですけどね。自分では残ろうと思ってペースで踏んでいたんですけど、やっぱり先行選手じゃないですから。あとは稲垣さんの判断に任せました」
元砂勇雪は勝ち上がりオール2着で記念初優出を果たした。準決勝は前団のもつれを豪快にまくり切り、稲垣と初めてワンツーを決めた。
「痛風が出て悪い時期もあったんですが、いまは痛みも抑えることができて、練習できています。開催中止の期間にしっかり乗り込むことができて、最近はその成果が出ていると思います。準決勝は稲垣さんと初めてワンツーが決まって、記念の決勝に乗れたので自信になります」
藤井栄二は予選2走とも突っ張り先行で2着。準決勝は逃げて4着に沈んだが、ラインの役割をしっかり果たした。
「自分が残る先行、ラインで決めることを第一に考えるようになって、成績が上がってきました。前回の福井もラインの力で優勝することができました。7車立ては9車立てより駆け引きが少ないので、それが合っているかもしれないですね。自信もついてきたし、これからはビッグレース出場を目標に頑張ります」
中井太祐は予選で2勝。準決勝は近畿ライン4車の先頭で持ち味を出せなかったが、最終日は2着に入り、シリーズ3連対と健闘した。
「ここに向けて練習はみっちりやってきました。動きとしては悪くなかったし、感じ良く走れました。7車立てを意識して組み立てて、いい結果は出ましたね。それがたまたまなのか、7車立てが自分に合っているのかはまだ何とも言えないです」