浅井康が7車を攻略
2地区の実力は拮抗しているが、シリーズの主役は浅井康太になりそうだ。昨年は2月全日本選抜の落車、失格からアクシデント続きだったが、今年は2月静岡を皮切りに4月高知、5月宇都宮と3度の記念優勝。切れ味鋭いタテ脚を武器に完全復活を遂げた。富山は67周年記念を制覇するなどGレースでの実績も豊富。慣れない7車のレースだけが不安材料になるが、上位選手の大半は条件が同じ。そこは持ち前の高い対応能力でカバーしてくれるはずだ。浅井は自力でも十分に優勝を狙えるが、吉田敏洋、竹内雄作に皿屋豊、谷口遼平とスジの機動型がそろっている点も心強い。吉田は開催中止により2カ月のブランクがあったが、走るたびに実戦の感覚を取り戻している印象だ。6月に富山を走っている点も好材料。自力でも番手でも中部勢の主軸となる選手だ。自力に有利な7車立てなら竹内にもチャンス。積極的な組み立ては健在で、Gレースで優出して復調を確かなものにしたい。皿屋豊もF1戦ではコンスタントに優出するなど充実一途。ここでも結果を残して、G1初出場となるオールスターへつなげたい。乗れている谷口の存在も見逃せない。直前の7月福井記念でも1着と気を吐いたばかりで、今やその機動力で一線級とも互角に渡り合える。金子貴志に志智俊夫ら中部勢は追い込み陣も充実。7車立てのスピード競輪は金子に向いていそう。スジの目標も豊富で、活躍の条件はそろっている。志智や近藤龍徳も条件は同じ。北野武史も地元勢の中心選手として決勝に勝ち上がりたい。
対する近畿勢は唯一のS班、村上博幸が軸になる。サマーナイトフェスティバルは展開が向かずに中間着を並べたが、高いレベルで調子は維持できている。三谷竜生に稲垣裕之、松岡健介と自力タイプは中部勢にも劣らない実力者がそろっている。鋭いキメ脚を発揮して昨年2月奈良以来となる記念優勝を狙う。自力型で活躍が期待されるのは三谷竜生だ。開催中止明けは未勝利で節目の200勝を目前に足踏みが続いているが、今回は地元の奈良と同じ短走路での開催という点は有利。2月奈良記念で優出し、4月奈良では優勝するなど短走路の実績は豊富で、過去の当所戦でも好成績を残している。最近は番手戦も増えてきた稲垣だが、3月玉野では逃げて2連対と自力も健在。今シリーズも自力で番手で優勝を狙える選手だ。松岡の自在戦も争覇の一角を占める。春先に調子を崩した時期もあったが、高松宮記念杯でも勝ち星を挙げるなど好展開を生かせるだけの状態にはある。抜群の安定感を誇る南修二も近畿勢に欠かせない一車だ。開催中止で水をさされることなく、5月川崎からは12走で着外はわずかに2回しかない。献身的なガードはもちろん、差し脚の切れも好調。繰り上がりで記念初優勝となった当所記念以来となる5年ぶりの記念優勝を狙えるだけのデキにある。神田紘輔、椎木尾拓哉もレースは堅実で、近畿ラインにさらなる厚みを与える。