ピックアップ GⅢ 大宮 01/14
「この季節としては軽いし、いつもの大宮とは別もので戸惑う(初日)。今日は寒かったけど、もっと過酷なイメージがある(3日目)」。8度目の大宮記念制覇した地元の平原康多が連日、振り返っていたように、例年と比較してもタフさを求められるバンクコンディションではなかった。しかしながら、500バンクでの記念だっただけに、脚力差がそのまま結果に反映されるシーンも多く見られた。
今期初S級の磯川勝裕にとっては、今シリーズが初めての記念。一、二次予選をともに2着で準決に勝ち上がったが、その準決ではS班の清水裕との違いを痛感させられた。
「要所、要所で失敗してますね。A級の時のクセが出てしまっている。それにまだ僕を(別線がそれほど警戒してないから)仕掛けさせてくれる。だから、今のうちに積極的にいきたい。(S級初場所の平で)鈴木裕さんから乗り方とか体の使い方を聞いたら、すごくスピードが出るようになった。みんなが強いんで(S級は)学ぶことが多いし、すごく楽しい」
瓜生崇智は4着以上にシリーズで見せ場をメイクした。準決では師匠の合志正臣の優出に貢献し、最終日は練習仲間の中本匠栄に勝ち星をプレゼント。師匠も「ようやく競輪選手らしくなってきた」と、愛弟子に目を細める。好配当を演出した二次予選では好位を奪取。準決で関東勢を分断する番手飛び付きと、さばきもできるところを見せて、持ち味を発揮した。
「今回は本当に師匠が決勝に乗ってもらえて良かった。まだまだですけど、(シリーズを通して)1日、1日良くなっている感じがあった」
3日目までは連日、最終バックを奪取する積極策を見せていた内山雅貴は、最終日だけはまくりに構えて2着。切り替えた高原仁志に差し返されて勝ち星を逸した。
「いまは苦手な先行をして、脚をつけたいと思っている。3日目まではしっかり先行もできたし、着は大きいですけど内容には満足しています。最終日はほかのラインが粘る可能性があったので、得意のカマシかまくりでいこうと思っていました。これで勝ち切れていないので、まだまだ脚がないですね。いまは我慢の時期だと思っている。しばらくは長い距離を踏んで先行していきたい」
「いよいよヤバい。なにもいいところがなかった」と、初日の1走をした段階では厳しい自己ジャッジを下していた清水裕友だったが、底力で決勝には進出。S班の意地を見せたが、シリーズを通してはどうだったのか。
「初日はシューズとフレームを新しいのにして違和感があった。2日目からいつものに戻して、体がだいぶ良くなってきて力も入るようになってきた。最終日の朝、また新車を試したら違和感もなかったので、今日(決勝)はそれでいきました。もう少し煮詰めれば良くなりそうだし、次もこれでいこうかなと思っています。グランプリからレースも続いて、疲れが溜まっていた。とりあえずはリフレッシュしたいですね。いまは先のことよりも、まずは疲れを抜きたいです」