実績群を抜く平原康が主役
輪界を代表するオールラウンダーのひとりである平原康多。昨年はビッグレースでの優勝こそなかったものの、全日本選抜、競輪祭で準V。記念開催では4Vを達成して8年連続のグランプリ出場を果たした。グレードの高いレースだけを走って連対率64%は素晴らしい数字だ。落車の影響で調子を落としていた時があったものの、10月京王閣記念着、11月四日市記念着、競輪祭着と立て直しに成功。グランプリは飛び付きを狙った松浦悠を退けて逃げた脇本雄の後ろを死守したものの、まくり上げてきた清水裕友をけん制した時に空いた内から和田健に抜け出されて5着。初Vは成らなかったが動きは悪くなかった。今の状態なら熟知しているホームバンクの記念で主役を譲ることはないはず。しかも森田優弥、宿口陽一ら同県の自力型をはじめ、鈴木庸之、武田豊樹、木暮安由ら連係実績の豊富な関東勢がそろっているのも平原には追い風だ。当所記念では59、61、62、64、66、68、71周年と圧巻の7Vを飾っている。通算優勝記録を8に伸ばし、地元ファンの期待に応える。
3年連続でSS班を維持した清水が対抗格。昨年は全日本選抜でタイトルホルダーの仲間入りを果たすと、サマーナイトも制覇してビッグレースで2V。その後はやや精彩を欠いた時があったものの、11月防府記念着では地元記念3連覇を達成した。グランプリは松浦を目標から最終3コーナーで自力に転じるも平原の強烈なブロックに遭い6着。優勝には手が届かなかったものの、逃げた脇本に襲い掛かったスピードは悪くなかった。岩津裕介が清水とタッグを組む。高松宮記念杯の西日本二次予選では、主導権を握った清水を差して勝っていて、サマーナイトの準決は2人で確定板入り(清水2着、岩津3着)とビッグレースでも好実績がある。中国コンビでワンツーは考えておきたい。
もう一人のSS班・佐藤慎太郎はグランプリ3着。連覇は成らなかったものの、目標の新田祐が不発も内をスルスルとすり抜けて確定板入りを果たしたレース内容は佐藤ならではだった。今シリーズの上位陣は北日本の自力型が手薄だが、当所は広々とした500バンク。どのようなメンバー構成になっても、的確なコース選択と鋭い差し脚を発揮しての突っ込みには注意したい。
昨年は8月松戸記念、12月千葉記念in松戸を含み5Vを達成した岩本俊介の単にも魅力を感じる。自慢のスピードには一段と磨きがかかり、航続距離も伸びた印象で、昨年の勝率は約4割。好スパートを決めれば首位に躍り出ても不思議ではない。ただ、12月前橋の初日に落車し、2日目以降を欠場したので体調には一抹の不安が残る。
底力はある太田竜馬だが、昨年の後半戦は本来の力強さを欠いていた。12月広島記念の動きも物足りなかったので、調子の上積みがないと厳しい戦いを強いられそうだ。