ピックアップ GⅡ 松阪 03/25
脇本雄太、新田祐大の東京五輪代表組のS班が不在のなか、昨年の競輪祭、2月の全日本選抜に続く郡司浩平のビッグ3連覇を阻んだのは、中国S班コンビだった。例年通り、機動タイプが多く参戦した今シリーズ。一次予選は展開に泣かされた取鳥雄吾だったが、2日目以降はすべて主導権を握りシリーズを着。最終日はシンガリに沈んだものの、野口裕史との踏み合いを制して、ルーキーの山口拳矢には出番を与えなかった。シリーズを通して先行選手としてのプライドを前面に出して、存在感を見せた。
「(最終日は)山口君が先切りにきた。昨日、(山口は)あんなレースをして、これかって感じでした。それなら自分がみんなまとめてって(スイッチが入った)。初日がブサイクなレースだった。(2、3日目は)内から行ってるんで情けない。最終日もあれで3着までに粘れるようにならないと」
着と後半は失速した黒沢征治だが、二次予選は打鐘前からのカマシで別線を大きくちぎる先行策を敢行した。自身は僅差の4着で準決進出を逃がしたが、平原康多、木暮安由のワンツーに貢献。近況はメリハリのある組み立てが目を引いている。
「(二次予選は)勝ち上がりで平原さんの前を走ったのが初めてだった。このレベルだとただ逃げても勝てない。F1からやっている長い距離を踏んでっていうのも意識していた。基本は先行だけど、そのなかでまくりだとかも含めて冷静にやっていきたい。残りの2日間が微妙でしたけど…。ここ(ビッグの開催)に来るとセッティングとか、練習方法とかをいろいろ聞ける。平原さんが得た情報も、教えてもらえるんで、平原さんが近くにいるっていうのは違いますね」
初ビッグだった昨年のウィナーズカップで決勝に進出して3着。旋風を巻き起こした高橋晋也が1年ぶりにビッグ優出。辛酸をなめた時期もあったが、再び光を放った。
「(この1年間は)浮き沈みが激しかったけど、気持ち的にも脚的にも上がった。感覚的にも良くなっている。前回(静岡)はフォームを変えようと思って、そっちに気がいってしまってた部分がある。ただ、(近況は)だいぶ心の余裕が出てきて、それが成績につながっている。(決勝は)去年は小さいレースだったけど、今年はあのメンバーで先行できた。自分の中ではめちゃくちゃ次につながります」
2日目に落車に見舞われた和田健太郎は、落着。3日目には森田優弥、最終日は松井宏佑との連結を外し車券に貢献することはできなかったものの、GPチャンピオンジャージの重みと責任を感じながら4日間を走りぬいた。
「(落車をしても)走る以上は結果をともなわないといけないし、結果を残せなければ反省をしなきゃいけない。(落車で)首とかが痛かったけど、この状態で走ってつかめたものもある。最終日にはグランプリで使った自転車にも換えてみた。この怪我をどう次に向けていくかだと思う」