ピックアップ GⅡ 函館 07/16
「ガールズケイリンフェスティバル2021」は、児玉碧衣がまさかの予選敗退。そして決勝では接触のアクシデントもあった高木真備は、4着に敗れて連勝が20でストップした。波乱のシリーズでもあったが、そのなかで石井寛子、小林莉子とガールズ創成期を支えた東京勢2人の直線勝負も見ごたえがあった。
初代グランプリチャンプの小林は、ガールズ1期生としてデビュー10年目に突入。決勝では逃げた佐藤水菜の2番手で絶好の流れだったが、石井の差し脚に屈した。
「こうやってガールズケイリンが10年も続くと思ってなかったし、みなさんにクローズアップしてもらってこういう舞台があるのは本当にありがたいですね。そのなかで自分の気持ちとしては、これが(大きい舞台での)最後の決勝っていうつもりで走っています。(この準Vが)惜しいというのか…。(石井)寛子さんが後ろに来ているのが見えて、慌てて踏んじゃった。絶好のチャンスが毎年巡ってくるわけじゃない。この失敗が(グランプリ出場争いの今年の)後半に響いてくると思う。(先行主体の)違う型の選手に負けるのとは違いますからね」
太田美穂は5月のコレクションに続いて2度目の大舞台。最終日は積極策でアピールして増田夕華、山原さくらを不発にして2着に粘り込んだ。
「コレクションは1日だけだったけど、今回は初めて3日間を走ってすごいところだなと思いました。チャレンジャーとしてやったけど、(ほかの選手は)自分と違ってすごく雰囲気がある。(最終日は)風が強かったので、前々から初心に戻ってレースをしようと思ってました。みなさん(が仕掛けて来たの)が見えたので、(打鐘の)4コーナーから踏んであとはペースでと。自分の持ち味の踏み上げていく感じがいいところでできたかなと。直線で(荒牧聖未に)行かれたのが、これからの課題です」
今シリーズがビッグ初出場となった町田太我は着。赤板過ぎから突っ張った2日目は、ケレン味のない走りで押し切り持ち前の先行力を存分に発揮した。準Vの同期、山口拳矢とは違う魅力で存在感を見せた。
「(2日目の逃げ切りでのビッグ初勝利は)すごいうれしい。通過点ですけど、今後も自信をもって挑める。(渡邉雄太が押さえに来るのが)緩めだったので、突っ張りました。(最終)ホームでもカマされないような感じで、バックでもまた踏み直せるくらいでした。初日はシューズを新しいのに換えたんですけど、今日(2日目)は戻しました。それでいつもの感じになりました」
前々回の高松宮記念杯は宿口陽一とワンツーの準V。前回の久留米では2度目の記念制覇を遂げた吉田拓矢は、初日予選で6着も2日目は坂井洋、最終日は黒沢征治に前を託して連勝で締めた。
「(最終日は)ある程度(黒沢征治が)踏んで、町田(太我)君を出させるような作戦だったんですけど。でも、あんだけ行ってくれたんで、1着を取らないとっていうのがありました。(黒沢は)先輩なのにありがたいですね。(連勝の)2日間は前のおかげ。前の頑張りに尽きる。こういう(同地区の選手の)思いをムダにしないように。もっと力をつけてオールスターでこの借りを返せるように」