ピックアップ GⅢ 平塚 09/30
超ハイレベルな決勝戦だっただけに、それを制した郡司浩平の強さはより一層際立った。その決勝を戦った選手にとってはもちろんのこと、決勝には上がれなかった選手達にとっても、この好メンバーと戦った4日間は非常に意味の4日間だったと言えるだろう。
清水裕友は決勝7着。ただ、巧みなペース配分で別線を苦しめた先行策は、7着の結果以上に清水の強さを印象付けた。次走の寬仁親王杯に向けて、着実に準備は整ってきている。
「自分が切って、郡司さんに切ってもらって中団と考えていたんですけどね。新田さんは絶対に下げるから、あの(自分が先行する)パターンもあるとは思っていた。このメンバーで逃げ切るのはやっぱり難しい。でも、このクラスで先行して、あれだけやれたっていうのも一つの収穫。親王牌に向けては微調整くらいですね。今回の自転車とセッティングで行こうと思っています」
小林泰正は常日頃から「積極的な競走」を課題に掲げてレースに取り組んでいる。今節は鈴木庸之が番手に付いた2走で先行策を披露。結果的に鈴木に2勝を届け、最終日にはワンツーも決まった。今節の競走は、きっと大舞台でも生きてくる。
「前回の共同通信社杯で落車して、状態を再確認するためにも今節は積極的に走りたかった。巧く組み立てられれば勝負できると感じました。2日目と最終日に見せるレースができたし、こういうレースをしていけば他の人たちの見方も変わってくる。親王牌(が開催される弥彦)は準地元ですし、一つでも上のレースを走れるように、しっかり調整していきます」
中田健太は今節2着3回。今期の競走得点は105点台後半と、追い込みとしてのランクを徐々に押し上げてきている。中田らしく、冗談も交えながら明るい表情で目標を語った。
「2着3回なら十分なんですけどね。でも、欲を言えば準決が走っただけになってしまったのが…。もっと点数を上げないと記念の準決クラスでは番手は回れない。記念で決勝に上がって、G1に出たい。今、同県で同世代の追い込みって言ったら(武藤)龍生(埼玉・98期)しかG1に出ていない。宿舎で寂しがってるらしいんですよ(笑)。でも、本当に自分もG1に出たい。今が105点だから、次は107点台に乗せたい。コツコツとやっていきます」
9月青森記念に続いて、最終日6Rには「競輪ルーキーシリーズ2021プラス」の第二弾が行われた。優勝は志田龍星。共同通信社杯を制した山口拳也と同じ岐阜から、またしても超新星が台頭した。
「車番が悪かったので後ろからになると思っていた。誰かが仕掛ける前に先にいけて良かったですね。踏んだ感じはあまりよくなくて、(バックの)直線で前の方までいって、(3)コーナーは回して4コーナーの下りの山おろしで前に出られればと思っていました。お客さんの前で走れて、勝てて良かったです。できるだけ早くS級に上がりたい。(特別昇級が)一番理想ですけど、そんなに甘くないので頑張りたい。中部を代表できる選手になりたいです。上のレース(G1)を走りたいです」