ピックアップ GⅢ 武雄 11/25
競輪祭組は不在のシリーズだったが、地元で気合満点だった荒井崇博のみならず、生きのいい機動型が数多く参戦したこともあって大いに盛り上がった。そろそろ新年のことも考えて走る時期で、今回のレースで手応えと同時に課題を見付ける選手も目に付いた。
川口聖二は鋭いまくりでシリーズ2勝を挙げたが、まさかの一次予選敗退と手放しては喜べない現状。競輪祭で輝いていたライバルの活躍に刺激を受けて心に火を灯す。
「今回は初日と3日目が不甲斐なかったですね。先行で脚を戻していきたいっていう気持ちはあるんですけど、中途半端な仕掛けになってしまっている。初日も変に焦ってしまい失敗でした。2日目も最終日もまくりで勝ち切れていますけど、特別競輪じゃ通用しないので。ようやく状態は上がってきていますけど、少しでもミスをしたら勝てない。同級生の新山(響平)君の競輪祭での走りを見ていたらさらにその気持ちが強くなりましたね。本当に格好良かったので。自分も負けていられない」
今シリーズの片岡迪之は今年4月の当所記念以来となる準決進出。相性良い地で自身2度目となるG3決勝の舞台を目指したが7着大敗。手応えは決して悪くなかったが、上位陣との差を感じた。
「武雄はいつもいいイメージで走れていますし、二次予選はいい感じで駆けられました。準決は完全に自分の展開になったと思いましたし、チャンスだったのに…。トップスピードもそうですけどあの上を乗り越えられるパワーが必要ですね。10月の高松から新しい自転車に換えて良い方向にでてはいるので。もう少し底上げしていけるように頑張りたい」
小原佑太も初のG3決勝を目指して奮闘したが、またしても準決の壁を超えることはできなかった。しかしながら明確な課題も見つかり、さらなる活躍を誓った。
「悔しいですけど、また4着でしたね。あとちょっとでしたけど。でもレースが終わってから荒井(崇博)さんと話をさせてもらって、『もうちょっと後ろ(番手の選手を)を使った方がいい』ってアドバイスを貰いました。脚自体は良かったですけど、共同杯以来の9車立てでその辺の感覚がつかめていなかったですね。どうしても焦って前に踏み過ぎていました。後ろの人が波を作ってくれれば、相手が来るのも遅くなるので、もっとゴールに近いところまで踏めるようになる。もっとラインを意識した走りができれば違ったかもしれないですね。今後はその辺もしっかりと考えて戦って行ければ。来月は(競技の)全日本選手権もありますし、年末はヤンググランプリも控えているので頑張らないとですね」
今シリーズの土生敦弘は強い気持ちで4日間とも積極策でレースを支配。未勝利にこそ終わったものの、まくりを多用しているFシリーズとは違い、淡白なイメージを払拭するには申し分ない内容だった。
「7車立てと9車立ては全く別物なので。7車立ては最悪でも引いて6番手がある。9車立ては脚を使って動いても下手したら後方に置かれてしまうし厳しいですよね。7車立ては力でまくれても、9車立てのまくりは何があるかわからない。相手のブロックもそうですけど落車のリスクもある。相手が弱ければまくれても、G1だったらそうは決まらないと思うので。いまはもうこいつと当たったらややこしいなって。前に出させたら厄介やなって相手が思ってくれれば、もっとまくりも決まりやすくなると思うので。4日間、先行したことはなかったですし、連日、長い距離をいっていたので体的には疲れがたまっていましたけど、なんとか反応してくれましたね」