ピックアップ GⅢ 松山 12/02
前回の71周年記念の覇者・松本貴治は、今年のオールスター競輪一次予選2を走った際に、誘導員早期追い抜きで失格。今回が約4カ月ぶりの実戦復帰となった。開催前検日には「こんなに空いたことはなかったですね。無難に練習をしていてタイムとかは変わっていないので、調子的にも変わらないと思うけど、復帰戦なので、走ってみないと。不安はないけど、緊張している」と、大会連覇を狙う気持ちよりも、復帰戦ということの緊張感の方が優っていた。
1走目を走り終えると「緊張はしたが、自然と体は動いた」と、レースの感覚はつかむことができた。「準決は門田君が頑張ってくれた。決勝戦は新田さんと力勝負がしたいですね。もちろん連覇を狙っていくけど、地元3人の中から優勝者が出せるように」の言葉通りに決勝戦は先行策を披露。「ラインから優勝者を出せて良かったです。4コーナーを回って一瞬(連覇が)あるんじゃないかと思いました。初日はデビューしてから今までで一番緊張しました。みんなの力で決勝に上がれて決勝にはなるべく仲間を多く引き連れて上がりたかった。(橋本)強さんは普段お世話になっている先輩だし良かったです。なにげに3着に残れましたしね」と地元記念で充実の4日間を振り返った。
師匠・橋本強の優勝を喜んでいたのは弟子の門田凌。自身は71周年記念と同様に、今回の準決勝でも松本貴治と連係。先行策を見せて松本を決勝へと導いた。
「(今年3回地元のGⅢに出場したが)全然活躍できなかった。今回も初日がダメでしたからね。でも準決勝で先行して後ろが全部勝ち上がっている。それの繰り返しで決勝に乗るのが理想ですね。このあとすぐに手首の手術をするんですよ。骨が折れていて自転車に乗るのは問題ないんですけど、ウェイトトレーニングはできない。1月も全部休んで、復帰するのは2月頃になるので弱って帰ってこないようにしたい」
今シリーズは地元勢の活躍が目立っていた。佐々木豪は今年も準決を突破することはできなかったが、自慢のスピードを発揮して存在感をアピール。本人も語るように二次予選で野口裕史を下したレースは強いのひとこと。
「今回は見てもらった通り脚の感じが良かった。二次予選は野口さんが相手で、脚を使ってからまくることができたし、めっちゃキツいメンバーの中で突破できた。準決勝でも新田さんが警戒してくれたっていうのを、いい意味にとらえたい。前回の(地元)記念の時も言ったけど、次こそ決勝に乗れるように。小田原記念は決勝に乗れたんですけど、そのあとで毎年10月になると点数を落とすのは、古傷の右の内転筋が季節の変わり目で寒くなって痛くなる。朝、目覚めたら、急にくるんですよ。年々、対処できるようになってきているし、このあとはPIST6、グランプリシリーズのFⅠを頑張ってきます」
根田空史は今回使ったフレームに手応えを得ていた。最終日は残り2周過ぎから別線を出させない逃走劇を披露。連係した和田真久留から「根田さんが強すぎた」と称賛された。
「ワッキーから買ったフレームを使っていたけど、あのフレームは堅くて、ワッキーだからこそ使える。疲れや反動もくるし、今回は以前、少し使ったフレームのフロントセンターを短くして作り直して持ってきた。ワッキーのフレームを参考にして作ったものだけど、それよりもやわらかい分、体がだいぶ楽。レース後の疲れや反動も違いますね。ダメだった二次予選も、踏み出しがいいからこそ前とすぐに詰まってタイミングをとることができなかった。あの失敗でわかったこともあるので、それをいかせるようにしていきたい。セッティングも出たので、次の広島記念もこのままいくつもりです」