新田祐がパワーで魅せる
輪界随一の破壊力を誇る新田祐大が中心だろう。東京五輪を終えて8月のオールスターから本業の競輪に復帰した。4カ月足らずなかで獲得賞金でのグランプリ出場は厳しく、優勝しかなかった競輪祭だったが準決で惜しくも4着。グランプリ出場を逃した。しかしながら、オールスター、共同通信社杯、寬仁親王牌とビッグレースで立て続けて決勝に乗っていて、随所でワールドクラスのスピードを見せている。さらに復帰後はポテンシャルを持て余すことも少なく、別線を早めに仕留めるシーンが目を引く。すでに気持ちも新たなタイトル獲りに向けて切り替えている新田が、気落ちすることなくハイパフォーマンスで、14年以来2度目の松山記念を奪取しよう。
地元勢も戦力は充実している。松本貴治が先陣を受け持ち、橋本強、渡部哲男が援護するラインは強力だ。この大会には実績もあり、松本は71周年、渡部は55、69周年をぞれぞれ制覇している。特に71周年では準V橋本、3着渡部と確定板独占を決めた。松本は全日本選抜、高松宮記念杯ではいずれも準決に駒を進めるなど、G1で存在感を示していたが、オールスターでの先頭員早期追い抜きため欠場中。この開催が復帰戦となるのでレース勘には不安が残る。橋本は11月岸和田の準決で門田凌の逃げを差して愛媛ワンツー、競輪祭も一次予選1で2着などまずまずの近況だ。渡部は好調とは言えないが、11月防府記念1着など、徐々に上向いてきた感がある。好連係を決めて地元の意地を見せるか。
中川誠一郎は直前で欠場となったが九州には山田庸平がいる。寬仁親王牌では自身2度目となるG1ファイナルのキップをつかみ、続く競輪祭でも一次予選をまくりで連勝。郡司浩らを破り、ダイヤモンドレースにも進出した。自力自在に立ち回るレースを身上とするだけに、ラインの援軍が手薄になっても全くハンデにならない。今が旬な選手だけに目が離せない。
和田真久留、松谷秀幸の南関勢も侮れない。和田は2カ月病欠したが、復帰2戦目の11月和歌山は連勝で優参すると、競輪祭では一次予選1で平原康らを相手に勝ち星をゲット。根田空史、野口裕史と同地区に積極的なタイプもいて、ラインの厚みを生かした連係になれば、他地区を相手に好勝負に持ち込める。
稲垣裕之、東口善朋の近畿勢も忘れてはならない。特に東口は成績が安定していて、突っ込みには注意したい。