立川特有の冬場の強風に加えて、３日目は雪が降るタフさが求められたバンクコンディションだった今シリーズ。２日目には頼れる同地区の平原康多が落車による途中欠場に見舞われたが、吉田拓矢はプレッシャーのなかで新Ｓ班としての門出を自らの力で祝った。

　吉田とは元同県で同期の鈴木竜士は、二次予選でタッグを組んだがまさかの７着。吉田が逃げ切り勝ちを収めただけに、その加速力に置いていかれたシーンは地元ファンもショックだっただろう。

　「正直、昨日（２日目）のレースがすごく悔しかったし、不本意だった。体はすごくいいんで、絶好調だと思う。離れた原因も明確にわかっている。挑戦したことでの失敗だった。それをここで口にすると言い訳になってしまう。もう２度と同じ失敗はしないように」と、振り返った３日目は決して楽な流れではなかったが、大立ち回りを演じて１着。吉田と連係する次は、大丈夫だろう。

　坂井洋はシリーズを４着。準決は吉田を連れて不発。最終日は、宮下一歩の番手で好展開も２着。新年を順調な滑り出しとはいかなかったが、３月地元、宇都宮のウィナーズカップに向けて、立ち止まるわけにはいかない。

　「（最終日は）自分もできるだけ（宮下を）残したかったんですけど、これ以上引きつけたらかぶっちゃうっていうもあった。それで踏ませてもらいました。ただ番手まくりをするだけじゃ、これか先のためになんの勉強にもならない。後ろをやってみて、先頭の人がどういう風に走ってほしいかっていのもわかるし、いろいろ勉強になりました。（今シリーズは）力が入らなかったりもしたんで、まずは体調を戻してしっかりと練習をしたい」

　前回の名古屋を着と精彩を欠いた不破将登は、６着で一次予選を敗退した。今シリーズも立て直しが困難かに思われたが、終わってみれば３日目、最終日を連勝。しり上がりに調子を上げた。

　「ちょっと悩んでところもあるけど、そのなかでちょっとずつですね。前回は新車を試した。３日間で１人だけしか勝てなくて重たいだけだった。それで今回は戻しました。浅井（康太）さんだったり、中部の先輩方に聞きながら、ちょっとずつ良くなってきています。初日が終わってどうかなっていうのがあったけど、キッカケになりそうかなと。年も明けたんで、もう１回上がっていきたい。これで次が楽しみです」

　最終日こそ先行策で力の違い見せた太田竜馬だが、らしさを欠いた新年のシリーズでもあった。着はまとめた方だったかもしれない。

　「調子が悪い理由はこれといってないんですけど、流れがあれば行くところで行けるかなという感覚が最終日で少しつかめました。今は自分がデビューしたころよりも脚力が上がっていて、個人、個人が強い。だから、まずは脚力を上げていくしなかいですね。ただ、脚力だけじゃ勝てないし、組み立てももっとうまくならないと。スタイルを確立するというか、どう走っていいかパッと思い浮かぶようになりたい」