ピックアップ GⅢ 大垣 03/10
平原康多がそつのない立ち回りで優勝をつかみ取り、直前の名古屋記念の眞杉匠に続いて、関東勢が記念連続Vを果たした。すぐそこに控えるウィナーズカップに向け、地元地区の先導役と、大黒柱の両名が、最高の流れに乗った。他地区を迎え撃つ準備は、もう出来ている。
2月高知でG3初出走、初優勝の離れ業を成し遂げた阿部将大。初日のレース後に「競輪人生で一番緊張した」と言ったように、プレッシャーをひしひしと感じながらの4日間。等身大の現状を話した。
「高知はS班がいないG3だったし、S班と戦えれば一つの指標になると思っていた。でも(二次予選敗退で)結局S班と戦わずに終わってしまった。高知は得意バンクだったけど、大垣は初めてのバンクで、手探り状態でした。2日目も、前に出れない時点で勝負権がなかったし、400だと一瞬の判断ミスが命取りになる。大塚(健一郎)さんは高校の先輩で、一度もワンツーが決められなかったし、最終日は気持ちを入れて走りました。ヤンググランプリに出たいし、点数も上げていきたいです」
橋本優己は初めての地元記念に挑んだ。初日こそ豪快なまくりで1着スタートを決めたが、二次予選は9着敗退。伸び盛りの22歳は、この経験を糧にして成長していくことだろう。
「本当はもっと上のレースを走りたかったです。G1クラスのスピードを体験してみたかった。言い方は悪いけど、地元記念は4、5着でも勝ち上がらないと。今回は同期がいっぱいいて、色々な話をさせてもらった。体のケアの話とか、練習だったり、自転車の話。練習もみんなキツいことをやっている。自分ももっと厳しくやっていかないと。目標はヤンググランプリです。そこで(山口)拳矢さんと連係したい」
上田尭弥は前回の全日本選抜から積極的な競走が目立っていた。もう一つ上のランクにステップアップする為に、今は初心に立ち返り、レーススタイルを見直している真っ最中だ。
「G1や、G2で弱気なところが出てしまうので、普段のレースから強気な競走をしようと思っています。全日本選抜の初日が自分で納得できなくて、そこからとりあえず前に出て、先行してどこまで持つかってレースをするようにしています。(3日目は)前検日から先行、先行って言っていたし、作戦も先行しか考えていなかった。ペースに入れて、2コーナーから踏み上げたけど、最後はフォームがぐちゃぐちゃになってしまった。そこは課題ですね」
今節の谷口遼平は主導権取りに徹していた。1月大宮記念での落車失格から、2月和歌山で落車、全日本選抜は2日目失格と、まともに走れていなかった。その流れを払拭するかのように、4日間とにかくペダルを踏み込んだ。
「まだ展開とか流れは悪いと思っています。それをむりやり自分の方に持ってきている感じです。(最終日は)突っ張りはもともと考えていたけど、小笠原(光)君の押さえ方が中途半端だったから、突っ張った方が堅いと思って。(今節は)若手みたいにもがきましたね。次が500バンクでのウィナーズカップってこともある。今回は600くらいは普通にもがいたから、ウィナーズでは一周くらいはいけるかもしれないですね」