平原康が4連勝で大会連覇
「お客さんの応援がすごくて、それに後押しされた」
ゴール後は応援に応える様に力強く拳を握りしめた。平原康多が、4連勝で当大会を連覇した。
切って切っての流れを、北日本勢が打鐘でカマす。これで隊列は初手の並びと元通り。平原は4番手で絶好のポジショニングが叶った。
「(北日本勢の後ろが取れたのは)本当に運だと思う。車番が悪くて、厳しいレースになると思っていたので、前の方からとだけ考えていました。北日本が先行するとはそこまで考えてなくて、前の方が取れたので順番で切って前々に。後ろの状況は全然分からなくて、(仕掛ける)タイミングだけ気にしていた」
飯野祐太が目イチで駆ける中、反撃の機をうかがった。最終2コーナーから仕掛けると、それに合わせるようにして菊地圭尚が番手から出る。だが、平原はその上を強引にまくった。
「後ろの状況は全然分からなくて、タイミングだけ気にしていた。大森(慶一)さんが波を作っていて、タイミングが取りづらかったけど、直線で飯野君を越えないと石川(裕二)までチャンスがないと思っていた。(番手まくりは)想定外です。(菊地に)同じタイミングで出られたので最悪だった。コーナーで山をこらえきれたから直線で伸びたんだと思う」
菊地をねじ伏せた平原がそのまま先頭でゴール線を駆け抜けた。1月大宮記念以来、通算29回目のG3優勝を、完全Vで決めてみせた。今節は、初日から3日間、同県の後輩達と連係して3連勝。関東の若手のあこがれの的である平原だが、平原自身もスキルアップを怠ることは決してない。
「自分は自力選手だと思ってやっている。むしろ、後輩の後ろを回る時にどう対処するかっていうのがテーマ。自分が前の時は、臨機応変に動いて仕掛けのタイミングだけ考えていればいいけど、人の後ろは考える事が多い。昨日(3日目)だって、落車を避けたところですごい感覚が悪くなってしまったし、そういうところが甘いと思う」
見据える先は、直前に迫ったG2ウィナーズカップ。
「疲れは出ると思うので、3日間練習して万全でいけるようにしたい」
直前の名古屋記念では、眞杉匠が記念初制覇。そして大黒柱の平原が最高の流れに乗って宇都宮に乗り込んでいく。地元地区での大一番に向けて、関東勢に大きな追い風が吹いている。
山口拳矢は、最終ホーム6番手の位置取りも、1コーナーで郡司浩平に内をすくわれて仕掛け所を逃してしまう。2センターからまくり追い込んで外を強襲するも、2分の1車身届かず2着まで。
「初手は作戦通りで、切って、切っての流れでした。ちょうど、外を見た時に(郡司が)いなくて、自分が膨らんでいたので、締められなかった。最後は内を見たけど、渋滞してて空かないと思って、外を踏んだ。届くと思ったけど、平原さんが遠かったですね。1カ月半空いてからなので、上出来。大目に見ていただければと思います。(シリーズを通して)納得いくレースが1個もなかった。初日くらいですかね。想定通りだったのは」
まくった郡司の勢いが鈍ると、岩本俊介は3コーナーで内に進路を取る。直線で外から菊地を交わして3着に入った。
「しっかりと追走するのが仕事なので。最後まで待ってから内をいった。今回は(郡司の後ろを回り)勉強になりましたね。今日(決勝)の3着はでかい。最後にどういうふうにゴールを駆け抜けるかっていうのと、最後まであきらめない気持ちでした」