ピックアップ GⅢ 平塚 04/07
大会連覇を狙った郡司浩平に、同期同級生の和田真久留が付け、3年前から平塚に移籍した大塚玲が固めた地元ライン。ファンの支持もそこに集まったが、地元勢を阻んだのは平原康多の意地と、佐藤慎太郎の巧さだった。何度も体をぶつけて、郡司を出させなかった平原のテクニック、強さ、それに気迫は、特に際立った。超一流同士の、まさしく名勝負と言える決勝戦だった。
緒方将樹は今期から戦いの場をS級の舞台に移していた。どちらかと言えばまくりを得意とするタイプかと思われていたが、今節は積極的に攻めるレースが目を引いた。偉大な父を追いかける新鋭レーサーにとって、実りのある開催だったことは間違いない。
「(最終日は)後ろはもっと上のクラスに乗っててもおかしくない人たちですし、作戦ではいけたらいくぐらいに言っておいて、熊本勢には絶対いくって宣言して引けないように自分を追い込んで走ったんですよ。でも、今までこういうレースをしてこなかったツケで、2センターで踏み直せなくてタレてしまって本当に悔しい。あれだけ仕事をしてくださって、本当なら1、2着じゃないと。今節は父(浩一・30期・引退)にバンク特性を聞いて、とにかく先手、先手っていうレースを心掛けて、S級での方向性が見えてきた。作戦自体は間違っていなかったし、前に、前にっていうレースを基本にしていきたい」
地元記念で人一倍気合の入っていた松井宏佑だったが、準決勝の壁を超えることはできなかった。非凡なダッシュとスピードを最大限に生かした、一撃にかけるスタイルが今の持ち味だが、やはり一辺倒の感じは拭えない。競技活動との兼ね合いもある中で、今後の戦い方を模索していく。
「準決は不甲斐ないレースで負けてしまいましたし、今の走りに限界を感じました。調子自体は良いときも悪い時もあると思うんですけど、やっぱりいくら脚があってもこのままじゃ力を出し切れずに終わることもあるので。ナショナルチームに所属しているので落車のリスクを負うようなレースはできないですけど、ただ引いて仕掛けるんじゃなくて、郡司さんみたいに何でもできるようになっていきたい。今月の24、25日にイギリスでネーションズカップがあるので、17日から行って27日にかえって来る予定です。そこでしっかりと結果を出して来月のダービーにつなげていければ」
最終日の6Rでは、デビューから2年未満のガールズ選手によって争われる『ガールズフレッシュクイーン』が行われた。尾方真生は、昨年もこのレースに出走して一番人気に推されるも、結果は2着。「去年一番印象に残っているレース」と、今年は悔しさを晴らすために燃えていた。結果は力強いまくりで1着。今年のガールズグランプリの開催地でもある平塚で、初めて単発レースを制した。
「単発レースはいっぱい走っているけど、1着が1回もなかった。展開は思っていたのと違ったんですけど、嬉しいです。平塚はやっぱり苦手かな。重かったです。もっと脚を付けて、年末(のガールズグランプリ)も出られるように頑張りたい。いわき平(のガールズケイリンコレクション)でも、まずは3着以内を目指して走りたいです」
120期の在所ナンバーワンである吉川美穂はフレッシュクイーン2着。競技実績も豊富で、新人らしからぬレース運びの巧さがウリ。尾方に詰め寄ることは出来なかったものの、俊敏に尾方後位を取った動きは秀逸だった。レースセンスの高さは本物だ。
「やっぱり(尾方)真生ちゃんが強いので、真生ちゃんより前の位置から展開したいと思っていました。真生ちゃんの仕掛け所に合わせていければって思っていたんですけど、太田さんが来ると思っていなくて。想定外でしたけど、真生ちゃんの後ろに巧く入れたんですけど、2センター、4コーナーから追い込む脚がなかったですね。回転が上がったところからもうひと踏みできるようにしたいですね。ここから4週連続でレースが入っているんですけど、一つでも多く優勝できるように頑張りたい」