ピックアップ GⅢ 函館 05/14
佐々木豪、清水裕友、瓜生崇智と同世代の3人が強い絆を見せた決勝戦。20代の3人が見せた連係の前には、S班の郡司浩平が2着にくい込むのが精いっぱい。瓜生の記念初優勝は、ニューヒーロー誕生の瞬間でもあり、レース形態のスピード化は、ますます加速していきそうだ。
地元からは菊地圭尚と、大森慶一の2名のみが参加したシリーズ。近況は充実ぶりが光っていた菊地。「いいイメージが続いているし、ここの函館でぶつけたい。(ダービーの)疲れも取れているし、いけるかなと思う」と、ここ数年の中では、かなりいい状態で前検日を迎えていただけに、準決勝敗退で悔しさの残る開催になった。「昨日(準決勝)は眠れないといえば、ウソになりますけど、そのぐらい悔しい思いをしたので、最終日に1着を取れたのは良かったです。前回のダービーからやっぱり疲れもあったし、気持ちだけは、と思いましたけど、なかなか厳しかったですね。後半戦に向けてまた頑張っていきます」と、最終日は地元の意地を見せて1着で締めくくった。
小森貴大は今開催前の岸和田で完全優勝を決めるなどパワーアップが著しい。準決勝はS班清水裕友、北日本勢の2段駆けの前に散ったが、最終日は特別優秀で1着。同門の柳原真緒のガールズケイリンコレクション優勝にも刺激を受け、さらなる飛躍を誓った。「(師匠の)市田(佳寿浩)さんのもとで、みんなが強くなっている。でも、G1戦線で戦っている人は結果、強い。(準決勝で対戦した)清水君みたいな強さが本物ですね。(強いレースを見せても)『(周りに)調子いいねって言われない』ですから。強さを肌で感じました。(野原)雅也が自分の2個、3個上のところにいる。一緒に切磋琢磨しているし(野原を)追いかけていきたい」
竹内翼にとって、今シリーズがターニングポイントになるかもしれない。2場所前の高知では山根将太の番手から優勝。前回のダービーでは超一流のカベを感じたが、最終日に菊池岳仁を相手に先行で2着に粘った姿は堂々とした競走だった。「菊池君には二次予選でやられているので、今日(最終日)は絶対に先行と思っていた。3日目に山根君に付いて、先行意欲に刺激を受けた。しびれましたよ。年下なのに、冷静だしすごい。3日目の競走で収穫もあったし、今回はレベルアップしたと思う」
記念初参戦の鈴木浩太は初日の一次予選で原田研太朗を相手に金星を挙げた。「前受けも考えていたので落ち着いて行けたと思う。(初の9車立てで)展開が早くなるのは聞いていたし、自分でやってみないとわからないんですけど、そこだけは気を付けていた。ラインで決められず反省ですけど、感触は悪くなかった」と、初の9車立てでも冷静な競走を見せた。二次予選では清水裕友と対戦。「駆けなかったのが反省ですけど、流しているとかではなく、いままでだと、こられる感じで駆けていないので、S班のレースは勉強になりました。いつもなら、外併走からくるようなレースではなく自分の4番手を狙ってくる。自分もそういうレースもできるように頑張っていきたい」。S班との戦いで得たものは大きく今後の競走につながるシリーズとなった。