ピックアップ GⅢ 松戸 06/09
高松宮記念杯出場組が不在のGⅢ開催ではあったが、競輪界最強の脇本雄太を筆頭に、スピード自慢の選手が勢ぞろいしたシリーズ。これからの輪界を担うスター候補生たちは1走ごとに経験を積み、次の課題を見つけながら成長していく。
高橋晋也は二次予選と準決勝で圧巻の逃げ切り勝ち。決勝も果敢に先行して「30メートルラインでは獲ったと思った。悔しい2着」と、最後まで脇本雄太を苦しめた。前検日には「(前回の)川崎は良かった。宇都宮記念が終わってからナショナルのジュニアと新田(祐大)さんのところで練習をしていた」と、普段と違う環境で練習をしていたことを明かし、これが好結果に結びついた一因でもあるだろう。「今開催はすごい収穫の多い開催だった」。悔しい思いこそしたもののGⅢ決勝2着は自己ベストの数字。近いうちにGⅢ制覇も見えてきそうだ。
菊池岳仁は直前に「新潟で合宿をしてきて上積みがある」と、同支部の諸橋愛、末木浩二らとの練習で手応えをつかんでシリーズ参戦。❷2❻とGⅢでは昨年6月以来で決勝に進出して結果を出した。準決勝は「野口(裕史)さんも林(大悟)さんも積極タイプだし、叩き合いはしょうがないかなと。行くとこ行ってと思いました。落ち着いて行けたと思います。今日が一番組み立ても足も良かったですね」と、展開と、足がかみ合ったレースで強さを見せた。2年前に初の早期卒業生としてデビューしたが、まだ22歳の若手。今後の飛躍に期待したい。
3月にルーキーチャンピオンレースを制し119期の頂点に立った犬伏湧也。S級でも4回の優勝があるだけに、期待されたシリーズではあったが、経験の少ない9車立て、33バンク特有の組み立ての難しさに苦戦を強いられた。「1日目から3日目までふがいない競走だった。最終日に9車でワンツーをできたことは自信になる。これから9車が増えていくと思うので、できる限りのことを試していって頑張りたい。小松島記念は、師匠(阿竹智史)も、大師匠(小倉竜二)もいるし、準決勝や、決勝でしっかり走れるように」
養成所を犬伏湧也に次ぐ2位で卒業した志田龍星。ゴールデンキャップも獲得した逸材が初のGⅢに挑んだ。「9車はルーキーチャンピオンで走っただけなのでどうなるか分からないところはあります。まずは一つずつ勝ち上がれるように。ダッシュがないので、流れの中で仕掛けていきます」と前検日に意気込みを語った。初日は後ろ攻めからの押さえ先行で2着。「あんまり踏み直せていなくて良くない。いつも通りの練習をしてきたけど、道中も良くなかったです」と、手応えをつかむまでには至らなかった。二次予選敗退後の3日目に9車立てで初勝利をしたが「前に出てからは自分のことで頭が一杯で、後ろのことはわからなかった。ペースで踏もうと思っていたが、最後はタレました。4コーナーからもう少し踏み直したかった」と課題を口にした。