ピックアップ GⅢ 弥彦 07/28
関東勢の二段駆けが決まり、平原康多の大会連覇、弥彦グレードレース3連覇で幕を閉じた決勝戦。吉田拓矢のスピードもさることながら、番手まくりにいった平原のタイミングも見事だった。オールスターを直前にして、関東勢が結束力の高さを示した。
矢口啓一郎は4日間、自力で戦い抜いた。初日はカマシで3着に粘り、最終日は単騎でまくって2着。復活の兆しは確かに見えた。苦戦の続いた前期の戦いから、今期こそはと気合を入れ直した。
「連日自分でやっていたし、(最終日も)動いて仕掛けられればと思っていました。脚を溜め過ぎてもタイミングを逃してしまうし、周りの流れに乗っていきながら。(仕掛けは)ある意味イチかバチかですよね。白戸(淳太郎)さんのけん制があったとしても、あのタイミングでいかないと駄目ですし。4日間自力で、先行もしてなんて、めったにないですけど、今後につながる開催になりました。今年は前半戦がさんざんだったので、ここから立て直したい」
村上博幸は鎖骨骨折の影響で173日間欠場し、7月函館で復帰。久しぶりにグレードレースの舞台に帰ってきた。準決勝はアクシデントに泣いたが、最終日は目標不在ながらもまくりで1着をつかみ、貫禄を示した。
「(最終日は)あんまり深いことは考えず、距離が長くなっても仕掛けたいと思ってました。あとは、併走になったら取り切ろうと。(復帰してから)9車は初めてだし、自分がどれだけ動けるか不安があった。ただ、踏み出した感じがよかったし、今開催は悪くなかった。修正点も見つかったし、それだけに3日目の車体故障が悔しかった。せっかく(三谷)竜生と連係できて、どれだけやれるか感じたかった。悔しいというかショックでした。でも、悪い流れを1着で断ち切れた。3日間、自分なりにテーマ通り走れました。半年のケガはダメージがあるので、まだG1を目指す位置じゃない。F1でちょっとでも結果を残せるように」
地元支部で初の記念を迎えた菊池岳仁。大きな期待を背負っていただけに、準決勝の落車は悔やんでも悔やみきれない。それでも最終日は2周を逃げ切って1着で締めた。
「(最終日は)地元で昨日(準決勝)あれだけ情けないレースをしたので、主導権をとって逃げ切りたいと思ってました。ペースというよりは来るところで合わせようと思って踏んでいた感じ。落車する前に比べたら重いけど、一走するのと、しないのではだいぶ違う。しっかり傷を治して、体力を回復させてオールスターに備えたい。(今節は)気持ちに余裕がなかったですね。そういうところが今の自分には一番足りない。広い視野を持っていないとだめだし、考えすぎてしまったところもある。練習してきたことを信じて走らないとだめだし、その為にしっかり練習しないといけない。来年は親王牌で地元記念はないけど、また弥彦でデカいレースがある時はしっかり頑張りたい」
岡村潤は6月があっせんしない処置。深谷知広らと共に、その間に充実した練習を積めたようだ。ただ、復帰後初勝利を上げたのは今節の最終日と、やや時間を要した。転機となったのは、意外にも2日目の落車だったようだ。
「落車は(松坂)洋平の上に落ちるような感じで、擦過傷も、むち打ちも何もなかった。でも、力を入れたら痛い部分があって、その分、力まないで走れたと思う。落車して、逆に力みが取れた感じですね。状態がよくて、練習でスピードが出る分、力みがあった。その辺りの意識を今後の練習で修正していきたい。意外に今日(最終日)が一番感じがよかったですね。オールスターに向けてやることや、乗り方が見つかった」