• 福井競輪場開設72周年記念不死鳥杯7/7〜7/10

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 福井 07/07

 開催3日目。準決勝の3個レースが、突然降り始めた豪雨の影響で中止となった。勝ち上がりは抽選で決められ、脇本、松浦の両名がまさかの脱落。波乱ムードの中で行われた決勝戦は、菅田壱道が約4カ月のあっ旋保留を乗り越え、復帰戦で優勝というなんともドラマチックな結末が待っていた。競輪の神様は、試練を与えても、決して見捨てることはないのだろう。決勝進出のチャンスを与え、菅田はそれをモノにした。ゴール後の渾身のガッツポーズに、4カ月間の全てが詰まっていた。

齋木翔多

齋木翔多

 ここでS級初戦を迎えた齋木翔多。A級では積極的な競走で力を付けて、今節も3日目以外は先行。着以上の存在感で、インパクトを残した。S級での戦いはまだまだ始まったばかり。「仕掛け所を逃さない」。これを徹底できれば、S級上位で勝ち負けできる日もすぐそこだろう。

 「4日目は、疲れがあるかなって思ってチェーンを緩くして軽くしたら、思ったように掛からなくてきつかった。そういうところも勉強ですね。3日目は宿口(陽一)さんの先行がないと決めつけて、行くべきところで行かなくて失敗。相手の出方でレースをしてしまった。そうじゃなくて自分の行くところで行くってレースをしないと。まだ警戒されずに先行させてもらえるってところがあったと思う。自分の中では合格点は付けられないけど、妥協点かな」

谷口遼平

谷口遼平

 谷口遼平は、高松宮記念杯と、次の四日市で連続落車。万全の状態とは言えないなかでも、今シリーズの3走で全て確定板入り。最終日には1着もつかんだ。連日、しっかりと動いて位置を取る競走を心がけ、復帰戦とは思えない動きを見せていた。

 「不安な感じはあったんですけど、意外と動けていましたね。すぐこの後にサマーナイトがあるので、動けたのはよかった。特別競輪を走らせてもらえるようになって、やっぱり周りが強過ぎる。ちょっとミスをしたら終わってしまう。だから位置取りもこだわっていかないと。記念でもそう思って走っています。そういう意味では最終日は良いレースができた」

松浦悠士

松浦悠士

 松浦悠士は、小松島記念から中2日での追加参戦。ビッグレースを見据えて、脇本との対戦を想定しての参戦だった。だが、抽選の結果、決勝進出は叶わず、脇本との直接対決は単騎だった初日特選のみに終わった。本来の狙いは果たせなかったが、2日目には久しぶりの逃げ切りを決めるなど、内容の濃い開催となったようだ。

 「正直、(3日目の)10レースを走る予定だったメンバーはみんな、延長、延長の繰り返しで、気持ちの作り方が難しかったと思うし、あのまま走っていたらどうだったんだろうって思いますね。それでも今日(最終日)に関しては気持ちを作り直せた。追加を受けて、脇本さんと戦いたいって気持ちはあった。初日に内藤(秀久)さんにブロックされてしまって残念だったので、なんとか決勝でと思ってたんですけどね。でも、今回は2日目に良い競走ができた。セッティングも試せたし、このままのセッティングでサマーナイトに行こうと思っています。そういう意味では収穫はありました」

脇本雄太

脇本雄太

 脇本雄太は、不出場だった66周年、71周年大会を挟んで、自身の大会6連覇をかけて挑んだ地元記念だったが、天候には打ち勝てるはずもなく…。それでも3走全てで1着と、輪界最強の名に恥じぬ走りを披露。最終日は、稲垣裕とのワンツーを決め、集まった地元ファンに万雷の拍手を受けてシリーズを締めくくった。

 「(最終日は)気持ちは入れていましたけど、どこかやるせない気持ちもあって。その中でもしっかり先行でって思っていました。体はしっかりと反応してくれましたし、なによりラインでワンツーが決まって良かった。このあとは月末にジャパントラックカップがあるので競輪からは少し離れる感じで、そこに向けて調整をしていきたい」

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