ピックアップ GⅢ 防府 11/03
防府競輪場はメインスタンドの改修を控えており、この後は約2年間開催がない。改修前最後の開催は、清水裕友が前人未到の地元記念5連覇を達成と、まさに大団円で終わった。代替え記念は玉野競輪場での開催を予定しているが、果たして清水の連覇記録はどこまで続いていくのだろうか。
度重なる落車の影響で不振に陥っていた桐山敬太郎だが、ここ数場所は明らかに動きが違う。今節の最終日には、代名詞とも言えるローリング先行でライン上位独占を果たした。
「最終日は9割方先行で考えていました。先行した方が走りやすい。逆にまくりの方が気持ちの面でやりづらいんですよね。ケガをする前の乗り方ができなくなって、新しい乗り方に変えて、それに対応できるようになった。それと、体が戻ってきたっていうのとどっちもですね。気持ちの面では逃げて、動いて、自分のレースをして戻していきたいっていうのがあるんですけど、番組上番手を回ったりっていうことも多い。やっと先行できるようになったってくらいだし、まだまだです。やっぱりG1を走ってこそ、戻ったってことだと思うので。そこまではまだ最低でも半年はかかる。来年中に戻れるように頑張っていきたい」
共同通信社で落車した橋本強は、ここが復帰3場所目だった。今節は自分で動く場面も見られ、なんとかきっかけをつかもうと、もがいていた。そのかいあってか、最終日は太田竜馬の踏み出しに食らい付いてワンツー。たしかに手応えをつかんだ。
「名古屋の共同で転んで、そこから何かおかしいなと思ってた。シューズのサンの位置がおかしくて、3日目に自力を出してみたけど出なくて、これが原因だったんだって確信があった。サンの位置を修正して、今日(最終日)は太田の目いっぱいの踏み出しについて行けた。不安がなくなりましたね。欲を言えば差し込みたかったから、あとは気持ちの余裕。これで競輪祭が楽しみになりました」
新山響平はナショナルチームを卒業。これからは競輪一本で戦っていく。今後のテーマは``競輪力``。心機一転した新山が、昨年の悔しさを晴らすべく、競輪祭へ乗り込んでいく。
「最終日は焦らず駆けられたのが大きい。自分のペースにハメやすかった。準決みたいに、強烈なダッシュがある人が相手だと出られてしまう。そこを対策したい。ダッシュある選手への対策と、予想外の動きに対応する柔軟性や、競輪力を付けたい。去年(の競輪祭)は準決勝と、決勝で僕に対する警戒が薄れていたと思う。でも、今年はそうはいかない。G1を獲れるように、しっかり対策していきます」
山下一輝は、昨年大会で決勝3着。今年は優出こそ叶わなかったが、それでも1勝を含む3連対と気を吐いた。二次予選は清水とワンツー。そして最終日は、別線の飛び付きをしのいで松浦悠士とのワンツーを如実させた。
「声援が聞こえて嬉しいですね。アタマまでは届かなかったけど、2着であれだけ喜んでもらえたのは初めて。(飛び付きは)絶対来るだろうと思ったし、なんとかでした。今回は決勝に乗れなかったので、またしっかり頑張りたい。でも、今回は本当にいい経験をさせてもらった。(清水)裕友の番手を回ったり、初めてマツ(松浦悠士)の番手を回ったり。本当に勉強になった。またこれを生かして、2年後も点数を持った状態で帰ってきたいですね」